一歩先を行くSEの「頭の使い方」を考える。今回は会議における疑問や不満の原因を分析し、より効率的な話し合いをするための方法論を紹介していく。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)
ある開発プロジェクトの進捗会議。だらだらと各チームからの進捗状況に関する報告が終わると、演説家の長話が始まった。彼が話し始めると止まらない。参加者の頭の中をのぞいて見ると、会議に集中しているメンバーは皆無だ。
「この会議、いったい何を決めるんだろう……」
「今日の話題は、自分と全く関係ない。早く戻ってテストデータ作らなきゃならないのに……」
「また演説が始まった。今日の会議は3時間コースになりそうだ……」
「彼の意見は絶対間違っていると思う。でも、反論すると後でうるさいしな……」
「先週も、その前も同じ話したと思うけど……」
議論すべきテーマや、その達成目標を明確にしないまま、関係ありそうなメンバーをとりあえず集める。特に時間も定めずに各自が好き勝手なことを話して、なかなかまとまらない。中には話し始めると止まらない人もいて、だれもそれを阻止できない。結局、だらだらと時間だけが過ぎていき、何も決まらないまま「じゃ、そういうことで」となんとなく終わる。
あなたも、このような会議を経験したことはないだろうか。
実はこうした問題は、規模の大小を問わず、多くのプロジェクトにおいて見られる実態である。今この瞬間も、生産性の低い会議が全国各地で開催されている。生産性の低い会議には、共通して以下のような特徴がある。
会議のプロセスは、PLAN(事前準備)、DO(会議実施)、SEE(内容確認)の3つのプロセスから構成される。そういった、会議の生産性を下げる要素を排除し、PDSを管理する役割として、「ファシリテーター」を置く企業が多く見られるようになってきた。
ファシリテーターとは、中味の良し悪しに関する評価は行わず、議論に中立な立場で、チームとしてのアウトプットを最大化すべく、会議の「段取り」と「仕切り」を行う役割である。それでは、これからこの会議プロセスにしたがって、ファシリテーターの役割を、詳しく見ていくことにする。
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