Cognosユーザー事例に見るBIの究極の姿とは?Cognos Forum 2005 Report(1/2 ページ)

「Cognos Forum 2005」で、テネシー州最大の保険会社がBIをインターネット経由でクライアント企業に提供する事例を発表した。まさにBIの究極の姿と言えるだろう。

» 2005年07月04日 16時28分 公開
[栗原 潔,ITmedia]

 テネシー州最大の保険会社、BCBSTがビジネスインテリジェンスの究極の姿をCognosのユーザーカンファレンスで披露した。

 6月下旬、フロリダ州オーランドで開催された「Cognos Forum 2005」で、BlueCross BlueShield of Tennessee(BCBST)のケビン・ジェーンズ氏が「BlueCross BlueShield Puts Analysis in the Hands of Their Clients」と題する講演を行った。BCBSTはテネシー州最大の保険会社であり、200万人以上の顧客にサービスを提供している。

BCBSTのケビン・ジョーンズ氏。Cognos Forumではユーザーによるセッションが1/3に上る

 講演タイトルからも分かるとおり、BCBSTでは、保険契約の履歴データをインターネットを介して直接クライアント企業に提供し、分析を行わせるシステムを構築した。ビジネスインテリジェンス(BI)の目的が、情報を必要とするエンドユーザーに直接的にデータ分析の手段を提供することであるとするならば、社内スタッフだけでなく、顧客にまでもデータ分析の手段を提供することはまさにBIの究極の姿と言えるだろう。

 同社では、4年間の履歴データに対する「Impromptu Web Report」(IWR)による準定型レポーティング機能と「PowerPlay Web」(PPW)による多次元分析機能を24時間無休で提供している。プライバシー上重要な医療情報を含むデータを社外に公開することから、セキュリティと監査機能については特に注意を払ったようだ。

顧客向けBIは社内向けとは違う課題が

 また、顧客に対するトレーニングにも力を入れている。この点は、やはりBIをエクストラネット展開しているTyson Foodsの担当者も話していたが、顧客への直接的なBIの展開は、単にWeb上でデータを公開して済むというものではなく、社内向けプロジェクトとは全く別に考えるべき難しい課題というべきもののようだ。

 しかし、BCNSTにとって最大の課題となったのは、やはりデータ統合部分だった(筆者が今まで見てきたデータウェアハウス、BI系の事例においてデータ統合が大きな課題となっていなかったものはないと言ってよい)。

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