コラム
» 2005年07月08日 19時16分 UPDATE

開けっ放しの無線LANは「ご招待」と同じ

他人の無防備な無線LANにアクセスした男性が不正アクセスで逮捕された。しかし、自分の無線LANをオープンにしているということは、ほかのユーザーを招いているようなものではないか?

[David Coursey,eWEEK]
eWEEK

 このコラムの教訓は、「他人のWi-Fiネットワークを使うときは、注意を引かないようにしないといけない」ということかもしれない。これはフロリダの男性が犯したミスだ。彼は今、第三級重罪で起訴されている。

 AP通信の報道によると、ベンジャミン・スミスIII世は、リチャード・ディノン氏――とびきり利口な人ではないに違いない。自宅の無線LANのセキュリティを設定していなかったのだから――の自宅前に停めた車の中でノートPCを使っているところを見つかった。警察によるとスミスはディノン氏の無線LANにアクセスしたことを認め、コンピュータネットワークへの不正アクセス容疑で起訴された。

 ディノン氏はそれと引き替えに、知性に対する犯罪で起訴されるべきだろう。とは言え、彼が自宅近くの車の中に座っていた人間に不安を抱いたことは理解できる。

 AP通信は、これは無線インターネットユーザーの間でかなり一般的な慣行に関して起きた初めての刑事事件の1つだと伝えている。確かに、わたしは初めてこうした話を耳にした。スミスの公判は今月中に行われる予定だ。

 わたしがスミスの弁護士なら、弁護に当たって、多数の人が意図的にWi-Fiアクセスポイントのセキュリティを設定せず、「ゲスト」がインターネットアクセスに利用できるようにしている点を指摘する。

 わたしにはディノン氏の無線LANがSSID(Service Set ID)を「public」「default」さらには「linksys」にしていたのではないかと思う理由がある。これらのSSIDは時々、わたしのコンピュータに飛び込んでくるのだ。だがわたしは、オープンなアクセスポイントのオーナーが、ゲストのアクセスを許しているかどうかを判断する方法をまったく知らない。

 ディノン氏は、ベースステーションの範囲内にいる誰とも自分の回線を共有したくないのなら、無線LANのセキュリティを設定しておくべきだった。彼は明らかにそうしていなかった――難しいことではないのに――ため、オープンなネットワークを置いていたことになる。それを利用した人間を起訴するのは、無理があるように思える。

 確かに、スミスはディノン氏のネットワークではなく、ISPのネットワークに不正アクセスしたという主張もある。もしそうであれば、スミスが自宅のブロードバンド回線にそれと同じISPを利用していたのかどうか、興味深いところだ。いずれにしても、彼は許可されたユーザーではあるが、契約には違反したことになるだろう。第三級重罪とはほど遠い。

 読者の皆さんは、P2Pファイル交換ネットワークを介して音楽を盗むのと、他人のオープンな無線LANにログオンするのにどんな違いがあるのかと思うだろう。何も違わないかもしれないことは認めるし、わたしはダブルスタンダードを実践している。しかし、たまたま見つけたオープンなネットワークを悪意のない目的で使っても、被害者を生むことはないように思う。

 今回の事件で、スミスに無線LANを使われたことで、ディノン氏が余計な料金を払わされたことはないはずだ。スミスがディノン氏のファイルにアクセスしなかったのであれば、ディノン氏が文句をいうようなことは何もないと思う。自宅前に車を停められたことは別にして。

 それは警察にスミスの車を追い払わせれば済むことだったはずだ。とは言え、わたしの住む地域では、不審車を通報して警察に来てもらうまでに1時間以上かかる。たぶんスミスは、歓迎の気持ちを尽きさせるほど長い時間ディノン氏の自宅前に座っていたのだろう。

 AP通信の記事はあまり詳しくないが、単に「男性がオープンな無線LANを盗んだ」事件としては、たとえ罪があるとしても(わたしはないと思うのだが)、重大容疑の重さは、この罪にはとても見合ったものではないと思う。

 ネットワークを開けっ放しにしておくことは、ほかのユーザーを招待することになるという全国的なコンセンサスのようなものを作れればいいのにと思う。わたしが以前Starbucksにいたときに、同じビルの誰かが「linksys」というSSIDのオープンなネットワークを設置していた。この管理者は、意図的にStarbucksの有料ホットスポットの代わりになるものを提供していたに違いない。Starbucksの常連客が使っていたのはどちらのネットワークか、想像はつくだろう。

 セキュアな無線LANは、たとえ管理者が弱いパスワードを選んでも安全なままのはずだ。ディノン氏がセキュアな無線LANを運営していたのなら、明らかにスミスは不正であり、容疑は正当だ。

 オープンな無線LANにアクセスして電子メールをチェックするのは、一部では一般的な慣行になっている。わたしはたまたまそれを窃盗だとは思わない人間だが、もし窃盗に当たるとしても、重罪容疑はかなり厳しい。スミスが最後には戦いに勝ってくれることをわたしは望んでいる。そしてディノン氏が自分の無線LANのセキュリティを設定し、ほかの人たちをそっとしておいてくれることも。

原文へのリンク

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -