2005年上半期のサイバー犯罪は前年比52%増、警察庁がまとめ

警察庁は8月18日、2005年上半期のサイバー犯罪の検挙/相談受理状況をまとめ、公表した。

» 2005年08月19日 21時39分 公開
[ITmedia]

 警察庁は8月18日、2005年上半期(1月〜6月)のサイバー犯罪の検挙/相談受理状況をまとめ、公表した。

 これによると、ITを利用したいわゆるサイバー犯罪の検挙件数は1612件。前年同期の1063件に比べて約52%増加している。また、各都道府県警に設けられたサイバー犯罪相談窓口で受理した相談件数は5万479件に上った。前年同期の3万3066件に比べ約1.5倍の増加だ。

 特に目立つのは、不正アクセス禁止法違反による検挙件数の増加で、前年同期の約3倍に当たる198件に上った。その大半はインターネットオークションの不正利用やオンラインゲームにおけるアイテムなどの不正取得などを目的としたものだが、中には、フィッシング詐欺を目的としたファイルの設置なども含まれている。

 ただ、サイバー犯罪全体のうち、犯罪の手段としてネットワークを利用する「ネットワーク利用犯罪」が引き続き大半を占めている状況は変わらない。中でも、インターネットオークションを利用した詐欺や児童ポルノに関連する事案に増加が見られるという。

 一方サイバー犯罪に関する相談について見ると、「ワンクリック詐欺」に代表される悪質商法に関する相談が多く、全相談件数の58%を占めるにいたっている。2005年上半期にはまた、ウイルスやスパイウェアへの感染、フィッシングメールに関する相談も寄せられたという。

 警察庁は、同時に公表した不正アクセス行為の発生状況に関するまとめの中で、識別符号窃用型(IDやパスワードの盗用)による不正アクセス行為の多くが、ユーザー側のパスワードの設定/管理の甘さにつけ込んだものであると指摘し、パスワードの設定に十分注意を払い、定期的に変更するなどの対策を講じるよう呼びかけた。同時に、フィッシング詐欺にも注意し、不用意に個人情報を入力しないよう心がけるとともに、OSのアップデートやウイルス対策ソフトの利用といった対策を講じる必要があるとしている。

 また、企業のシステム管理者向けには、セキュリティホール攻撃型の不正アクセス行為が発生すると、「被害を受けた企業の情報セキュリティや個人情報保護に関する取り組み姿勢が問われるばかりでなく、企業イメージや信用までもが大きく傷つく」ほか、個人情報の窃取による二次被害が発生する可能性もあると指摘。これを踏まえて十分にセキュリティ対策を講じる必要があるとしている。

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