EPrints――世界に向けて発信

この世にはさまざまなオープンソース・ソフトウェアが存在する。しかし、世に知られていないものも多い。さまざまな分野の特選オープンソース・ソフトウェアを紹介しよう。

» 2005年08月30日 11時00分 公開
[中津川篤司,ITmedia]

 最近は大学発のベンチャーが増えてきている。自分達の研究結果を基に、新しい価値を生み出そうとしている。日常の改善でビジネスが立ち上がることもあるが、やはりまったく新規の価値を生み出すためには研究が欠かせない。

 それらの研究結果はドキュメント・リポジトリによって管理、公開される。今やインターネットを使って即座に世界に向けて情報発信できるようになっていることを考えると、ちまちま自作でHTMLコーディングなどせず、リポジトリの活用が重要になってくる。

 ここで紹介するオープンソース・ソフトウェアはEPrints、リポジトリ構築ソフトウェアだ。GPLで提供されており、2005年8月30日現在の最新バージョンは2.3.13だ。

EPrints EPrints

 こう言ったリポジトリ・ソフトウェアの重要な要素となるのが対応形式の数と検索機能だろう(もちろんそれだけではないが)。EPrintsでは各ライブラリを使ってテキスト抽出を行い、インデックス化する方式を採用しているため、xlhtmlやppthtmlといったコマンドを組み合わせることで対応形式を増やすことができる。

 Perl・オブジェクト指向を取り入れ、できるだけ分かりやすく開発されている。これは各地域によって異なる状況、歴史を踏まえ、カスタマイズしやすくするための措置だ。

 学術、研究と言った分野ではぜひこうしたオープンソースの活用を進めてもらいたいと思う。リポジトリを構築すること自体は本来の目的ではないし、さらに一様の仕組みが出来上がれば次の進化すら見えてくるからだ。

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