HPとシマンテックが忠告、「最悪の事態」に備えるならばディスクとテープの連携を

日本HPとシマンテックは、両社の製品を組み合わせることにより、地震や水害といった最悪の事態にも耐えうるデータ保護のシステムを実現できると説明した。

» 2005年11月10日 22時46分 公開
[ITmedia]

 ディスク単価の下落にともない、ファイルサーバなどのバックアップにテープの代わりにディスクが採用されるケースが増えてきた。もともとパフォーマンスに優れていた上に、SATAのように比較的安価なディスクストレージ機器が登場してきたのだから、当然の帰結ではある。

 しかし、日本ヒューレット・パッカードのエンタープライズストレージ・サーバ統括本部、ストレージ・ワークス製品本部の滝澤一彦氏は「障害の内容によっては、ディスクベースのバックアップでは対応し切れないケースもある」と指摘する。

 「最も顕著な例はディザスタリカバリだ。地震や水害によって拠点のシステムがまるごとだめになってしまった場合は、メディアを外して持ち運びできるテープストレージに頼るしかない。また、今後、SOX法をはじめとするさまざまな法規制上求められることになる長期保管や改ざん防止といった要件に対応していく上でも、WORM(Write Once Read Many)対応のテープが重要な役割を果たす」(滝澤氏)。

 その上で、効果的なバックアップとリストアの仕組みを実現するには、ディスクとテープ装置を上手く組み合わせていくことが重要だとした。

 日本HPとシマンテックでは、両社の製品を組み合わせることで、そうした仕組みの実現を支援していくという。

 日本HPは10月6日に、マイクロソフトのバックアップソフト「Microsoft DPM 2006」をプリインストールした専用サーバ「HP ProLiant Data Protection Storage Server」(DPSS)をリリースしている。これにテープライブラリの「HP StorageWorks Ultriumシリーズ」を組み合わせることで、短期的なバックアップと長期的保存の両方に対応する「D2D2T(Disk to Disk to Tape)」構成を実現できる。

デモ Backup ExecとHPのDPSSを連携させたバックアップシステムのデモ

 さらに、シマンテック(旧ベリタスソフトウェア)のバックアップソフト「Symantec Backup Exec 10d for Windows Servers」を組み合わせることで、DPM/DPSSが備えるものよりも柔軟かつ管理性の高いバックアップ/リストアが可能になるとした。この場合、DPSSとは別にBackup Execサーバを構築する必要があるが、「保護対象となるファイルサーバのデータだけでなく、DPSS自体が持っている設定やデータについても保護できる」(シマンテックコーポレーション/ベリタスソフトウェアのマーケティング本部、大畑正典氏)

 もちろん、最も重要なのはユーザーがどのような事態を想定し、どのファイルを保護したいと考えるかという点だ。

 「アンケート調査によると、最も多い要求は、『ユーザーが誤って削除したデータを元に戻したい』というもの。こうしたニーズに応えるだけでよいのならばDPM/DPSS単体で実現できる。しかし、DPSSに障害が発生したり、最悪のケースとして火災や地震、浸水によってサイトが丸ごとだめになるような事態も考えるならば、テープを用いたオフサイト保管の必要性が出てくる」(大畑氏)

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