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特集

e文書法の活用術:

e文書法は電子化のための金科玉条ではない (1/3)

誤解していると、思わぬ落とし穴にはまり込む可能性があるのがe文書法だ。e文書法の目的をしっかり理解し、企業ができることをまず考えて活用する必要がある。
2005年12月19日 08時22分 更新

 一般に「e文書法」といわれるものは、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」(e文書通則法)と、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(e文書整備法)という長い名称を持つ2つの法律の通称である。

 e文書法の本体に当たるe文書通則法によって、民間事業者等に義務付けている書面の保存を電磁的に行うこと、すなわち書面の電子化についての共通事項を定めている。そして、e文書整備法がそれらをまとめて改正したことで、保存義務のある書面の電子化が許されることになった(ただし、少なくとも7府省に関係する73の法令について、既存の法令の条文に一部改正が必要となる)。

 個人情報保護法のときの過ちを繰り返さないため、逐条解説は避けるが、第1条に目的が書かれており、第2条で「書面」「電磁的記録」「保存」「作成」「署名等」「縦覧等」「交付等」「保存等」という言葉の定義が示されている。

 ただ、書面の電子化を許す法律はe文書法が初めてというわけではない。個別の法律もあるし、「IT書面一括法」によって、50の法律について民間でやり取りされる書面の交付や手続の電子化を許可している(IT書面一括法については、通産省当時の法律案についての説明が分かりやすい)。

 e文書法を含むこれらの法律に共通しているのは、「書面の電子化を許した」ということである。企業はこの「許した」という意味を正しく理解しなければならない。注意しなければならないポイントは2点ある。

 1つは、書面の電子化は「義務ではない」ということ。そして2つ目は、書面の電子化のための「技術的な十分条件については共通の定めがない」ということである。それぞれ説明していこう。

電子書面の使用は義務ではない

 前回も述べたように、e文書法による書面の電子化は義務ではない。ごく限られた法律で電子書面の保存を指示しているものもあるが、そこで示しているのは、業務を電子化したければ電子書面を保存せよ、というものであり、業務が電子化されていないのに書面だけを電子化せよということはない。

 つまり「電子化するメリットがあるのならば、書面を電子化してもいい」が、その言葉の前には「書面は原則として紙であるが」という文が暗黙に含まれていると考えると分かりやすいだろう。実際にIT書面一括法では、そのことを明言している。

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[佐藤慶浩,ITmedia]

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