三洋、SOMAのシステム販売で無線ブロードバンド事業に新規参入

三洋電機は、米SOMA Networksと次世代のキャリア向け無線ブロードバンドシステムの販売を共同で行うと発表。37.5Mbpsの高速データ通信にも対応できるという。

» 2005年12月26日 19時45分 公開
[ITmedia]

 三洋電機は12月26日、米SOMA Networksと次世代無線ブロードバンドシステム「SoftAir」を共同開発し、加入者系無線アクセス通信システムの市場に参入すると発表した。共同開発したシステムは三洋電機が生産・供給し、販売とサービスをSOMA Networksと共同で行う。2010年度までの売上目標は300億円。

 米SOMA Networksは、ラストワンマイルの通信にW-CDMAを応用し、交換機などを必要としない分散型コンピューティング技術を適用した安価な無線ブロードバンドシステムを提供するベンダー。三洋電機は2003年より無線ブロードバンド事業の基礎検討を開始し、SOMAとの共同開発では加入者側宅内装置、基地局内装置に加え、ネットワーク側システムの開発にまで参画することでネットワーク構築や保守に関する技術的ノウハウを吸収した。

 SoftAirでは、実効速度が最大12Mbpsの高速データ通信を実現。音声とデータをそれぞれ専用のチャンネルを利用した高品質なIP電話サービス、加入者がセルフインストール可能な自動調整式アンテナ、1台当たり半径5キロメートル以上のエリアをカバーできる基地局、などを特徴とする。共通のプラットフォーム上でHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)やWiMAXといった無線高速データ通信規格もサポートし、将来的にはデータ通信を37.5Mbpsまで高速化できるとしている。

 SoftAirはすでにケイマン諸島のブロードバンド通信会社、Caymanone(ケイマン・ワン)での導入が決定しており、三洋電機は北米、東欧、東南アジア地域などでも商談を進めているという。

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