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» 2006年01月28日 00時00分 UPDATE

構造改革としての2007年問題:内部統制で2007年問題が起こりうる――日本オラクルの新宅社長 (1/2)

日本オラクルの新宅社長に、2007年問題への考え方について聞いた。団塊世代が作ったルールがブラックボックス化してしまっているような状況がある場合、一刻も早く対応する必要があるという。

[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

 オンラインムック「構造改革としての2007年問題」

 日本オラクルの新宅社長に、2007年問題への考え方について聞いた。システム保守などの作業は、ニーズがある限り、再雇用などの施策で十分に乗り切れるが、団塊世代が作ったルールがブラックボックス化してしまっているような状況がある場合、一刻も早く対応する必要があるという。

shintaku.jpg 「Excelで管理された例外処理」などは危険、と話す新宅社長

ITmedia 2007年問題というキーワードについてどのような印象を持っていますか?

新宅 わたしは2007年問題というのは、クリティカルな問題にはならないと考えています。その理由は幾つかあります。まず、メインフレームからオープン系のシステムになることが恐いというわけではありません。例えば、システム保守について、そのニーズがあり、経済的価値があると判断したならば、今の60代の人々は定年退職後も喜んで働こうとするでしょう。その意味で、リソースの問題点は解決できるのです。

 一方で、情報システムにおける内部統制については、多少の問題があります。2008年3月に施行されると言われる日本版SOX法の影響により、企業の経営状態や財務諸表に対して経営者は明確な説明責任を負うことになります。そして、財務諸表にかかわるビジネスプロセスというものは山ほどあります。

 これらには、20〜30年前に作られたものがたくさんあるのです。ここで、情報システム室はそのプロセスごとに個別に作業しているため、業務を遂行する中で、途中でぶち当たる例外事項をExcelなどで管理していることが多い。「連結会計での相殺はどうする?」と聞かれた時に、「この人の頭の中に入っています」という答えが返ってくることも珍しくありません。

 「ウチの会社の場合はそれでいいのだ」と言っても、誰もそれを説明できないのではまずい。つまり、そうしたプロセスにおけるルール作りに関与した人たちが、2007年問題の主役となる団塊世代の人であった場合は、そのルールの実態が分からなくなってしまう危険があります。すると、いままで通り業務はこなせるものの説明はできない、ということになってきます。このケースでは、「リスクが見えなくなる」という2007年問題が発生するかもしれません。

 したがって、こうした状況をいち早く把握しなくてはなりません。プログラムの保守というよりは、ルールの不透明化の方がずっと大きな問題です。それは待ったなしの課題です。できなければ、経営者の責任を問われることになってしまうのです。

ITmedia そうしたときに、2010年に企業の情報システムの役割はどのようになっているでしょうか。

新宅 企業の情報システム部門は、「業務部門からの要望を受けてそれをシステムとして実現することが仕事」という時代はもう終わりました。そのような仕事は何かに置き換えられてしまいます。

 考えてみてください。情報システム部門がなぜその企業に所属しているのか。それは、会社のことをよく知っているからにほかなりません。業務を執行している人がすぐ横にいるわけですから、情報システム部門は、「こうしたらもっと業務効率をアップできる」といった具合に、アイデアを社内で提案できるのです。

 要望を受けるのではなく、提案し、解決策を社内に持ち込むことができるのが、将来の情報システム部門の役割として望まれることです。したがって、情報システム部門は、業務を理解しながら、「変えていく」ことも含めてシステムの提案をする、コンサルタントにならなければならないのです。そういったシステム部門が育った企業は強いと考えます。

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