ウイルス検出数は減少するも、「ワンクリック詐欺」相談は引き続き増加――IPA

情報処理推進機構(IPA)は2月3日、2006年1月のウイルス届出/検出と不正アクセス届出状況をまとめ、公開した。

» 2006年02月03日 21時18分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 情報処理推進機構(IPA)は2月3日、2006年1月のウイルス届出/検出と不正アクセス届出状況をまとめ、公開した。

 1月のウイルス届出件数は、2005年12月の4293件から微増の4499件。しかし、ウイルス検出数で見ると、12月の約1344万個から大幅に減少し、約413万個にとどまった。この理由をIPAでは、「12月に大量のウイルスメールを送信して全検出数を増加させたSoberの亜種が活動を停止したため」と説明している。

 検出数の1位はNetskyで約204万個。2位がSober(約163万個)、3位はMytob(約29万個)となった。

 一方、不正アクセスの届出件数は50件で、うち被害が生じたのは13件だった。この中には、SSHポートを経由して不正アクセスを受け、放置されていたテスト用アカウントを悪用され、サーバを外部攻撃の踏み台に悪用されていたケースがあったという。また、Webサーバの脆弱性を放置し、最新のソフトウェアを利用していなかったことから、フィッシングサイトに悪用されていたケースも報告された。

無視すべきでない「警告画面」

 IPAへの相談件数は引き続き増加し、748件に上っている。中でもいわゆる「ワンクリック請求」に関する相談が多く、1月は173件に上ったという。その多くが、スパイウェアなどの不正なソフトウェアを埋め込まれたケースだ。

 IPAが相談内容を分析したところ、被害発生の過程においては何らかの「警告画面」が表示されている場合が多いという。にもかかわらず、ユーザーが警告を無視してファイルを実行した結果、スパイウェアなどの被害に遭っているとIPAは推測している。

 その一例が、画像や動画ファイルを開こうとしているにもかかわらず、「このファイルを実行または保存しますか?」というダイアログが表示された場合だ。こうしたセキュリティ警告が表示された際は、ファイルの「種類」「発行元」をチェックし、疑わしい場合はいくらその画像を見たくとも「キャンセル」すべきとIPAは忠告している。

 また、自分から特に通信操作をしていないにもかかわらず「外部に接続しようとするプログラム/ファイルが見つかりました」という警告ダイアログが表示される場合も注意が必要だ。PCに侵入済みのウイルスやスパイウェアが、個人情報などを外部に送信しようとしている可能性があるため、このケースでもプログラム名やファイル名をチェックし、安全であると確認できるとき以外は「接続を拒否」すべきとしている。

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