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» 2006年02月23日 07時00分 UPDATE

Vista新グラフィックスエンジンはAdobeにどこまで対抗できるか? (1/3)

新しいグラフィックスエンジンとAPIのセットを提供するWindows Presentation Foundation(WPF)は、マルチプラットフォームに対応した複数シナリオをサポートするが、社内競合技術の多さが混乱を招いている。

[Greg DeMichillie,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 Windows Presentation Foundation(WPF)はMicrosoftが提供する新しいグラフィックスエンジンとAPIのセットだ。WPFは複数のバリエーションで提供され、それぞれのバリエーションが異なるシナリオと機能を提供し、異なるプラットフォームをサポートすることになる。WPFの狙いは、オーディオ、ビデオ、アニメーション、3Dなどの高度な機能を広範な層の開発者に提供することだ。

 WPFのバリエーションにより、MicrosoftはJavaアプレットやAdobeのPortable Document Format(PDF)技術、Flash技術などの競合プラットフォームから、開発者を取り込めることになるだろう。だが一方では、Microsoftが提供する一連の技術では機能やプログラミングモデルが互いに重複しているため、ユーザーインタフェース(UI)を構築するための選択肢が多すぎて開発者がかえって混乱するというリスクも生じている。

新たなグラフィックスのプラットフォーム

 WPF(以前はコード名でAvalonと呼ばれていた)は、Windows Vistaに搭載され、Windowsの現行バージョン向けにはアドオンとして提供される新しいグラフィックエンジンとAPIのセットだ。WPFは、従来はゲーム開発者しか利用できなかったようなハイエンドなグラフィックス機能を提供し、Microsoftの最新のプログラミング言語やツールをサポートする。WPFが提供するウインドウやダイアログボックス、メニューといった基本的なグラフィックス機能は、現在、Win32 APIの2つの要素でカバーされている。ウインドウやメニュー、ダイアログボックスなどの機能を提供するUSERと、線やビットマップなどのグラフィックスを描画するAPIを提供するGDIだ。USERとGDIは今後もWindowsに搭載され、これらを使ったアプリケーションは今後も利用できるが、Microsoftは開発者に対し、これらのAPIの代わりにWPFを使うよう奨励している。同社はその理由の1つとして、WPFの基盤である.NET Framework共通言語ランタイムの利点を生かせる点を挙げている。

 WPFは、新しいグラフィックスエンジンと従来のAPIベースのプログラミングモデル(開発者はAPIを呼び出す一連のコードを記述して、グラフィックスとUI要素を作成する)に加えて、XAMLと呼ばれるXMLベースのプログラミングモデルをサポートする。XAMLでは、プログラマは2Dや3D要素、ビデオクリップのほか、ボタンやリストボックスといった従来のWindowsコントロールなど、各種のグラフィックスとUI要素のXML記述を作成できる。

 WPFはそれぞれ特定のシナリオに照準した4種類のバージョンが提供される。

  • デスクトップアプリケーション
  • Windows対応のWebブラウザアプリケーション
  • クロスプラットフォーム対応のブラウザアプリケーション
  • 固定文書の共有

 こうしたサブセットは、XAMLのサポートレベルや、サポートするプログラミング言語、セキュリティ環境、サポートするプラットフォームなど、幾つか基本的な点で異なっている。

Windows Presentation Foundationのバリエーション

Windows Presentation Foundation(WPF) XAML Browser Application(XBA) WPF/Everywhere(WPF/E) XML Paper Specification(XPS)
XAML フルサポート フルサポート サブセット*1 サブセット*2
プログラマビリティ あらゆる.NET言語 あらゆる.NET言語 スクリプトのみ なし
サンドボックス 非使用 使用 使用
シナリオ デスクトップアプリケーション ブラウザアプリケーション ブラウザアプリケーション 文書共有
クロスプラットフォーム性 なし*3 なし*3 あり*4 あり*5
代替選択肢 WinForms Javaアプレット Flash、PDF Forms PDF

*1 WPF/Eの詳細はまだ発表されていないが、2Dグラフィックスやアニメーション、オーディオ、ビデオなど、Flashのコア機能にフォーカスしたものになる見通し。
*2 静的な文書のみ。アニメーション、オーディオ、ビデオ、3Dはサポートしない。
*3 Windows Vista、あるいはWindows XPまたはWindows Server 2003のいずれかとWinFXランタイムコンポーネントが必要。
*4 MicrosoftはWindows MobileとMac OS Xをサポートする計画を発表している。
*5 MicrosoftはWindows 2000、Mac OS X、Linux向けにXPSリーダーを提供する計画。ただし、著作権管理など、一部の機能は提供されない見通し。

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