サンの社内ブログを動かす「Roller」ブログソフトウェア(1/2 ページ)

オープンソースの“王者”であるデイブ・ジョンソン氏が開発したJavaベースのブログソフトウェア、「Roller」が好評だ。同氏が「しゃれた製品で遊んでみたい」と作ったRollerは、今ではサンの数千件に上る社員ブログやIBMの社内ブログを動かすまでの存在となっている。

» 2006年03月10日 19時46分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 デイブ・ジョンソン氏が開発したJavaベースのブログソフトウェア「Roller」が人気を博している。同氏は、企業の開発者としての単調な仕事とは別に、何かおもしろいことに没頭したいと考え、Rollerの開発に取り組んだのだという。

 Rollerは今では、Sun Microsystemsの数千件に上る社員ブログを制御するまでの存在になった。ジョンソン氏も同社の社員で、「blogs.sun.com」チームのスタッフエンジニアを務めている。Sunの関係者によれば、IBMの社内ブログや、「Javalobby.org」が管轄するコミュニティーサイト「JRoller.com」の1万件を超えるブログも、オープンソースプラットフォームであるRollerによって動作しているという。

 ノースカロライナ州ローリーに在住するジョンソン氏は、「(Rollerを開発したのは)以前からオープンソースソフトウェアの大ファンで、(中略)しゃれた製品を作って遊んでみたいと思ったからだ。Rollerを利用すれば、時間も費用も節約できるし、あまり手間を掛けずに強力なブログサーバを持つことも可能になる」と話している。

 ジョンソン氏は、「RSS and Atom in Action」と題した著書をManning Publicationsから近く出版する予定だ。同書は、ブログやニュースフィード技術を利用したアプリケーションを作成するための、開発者向けガイドブックだという。また、ブログ技術やXMLニュースフィードフォーマット、プロトコルのパブリッシングについても、JavaおよびC#における例を交えて紹介しているという。

 同書の後半には、電子メールを介してのブログやPlanet方式のブログアグリゲータ、ポッドキャスト方式のファイル配布などを実現する、複数のRSSおよびAtomブログアプリケーションが収められている。同書は2006年3月24日に刊行される予定だ。

 「職場で使用するものは、だいたいにおいてそれほどおもしろいものではない」とジョンソン氏は言う。2002年にRollerの中核技術を開発した同氏は、以前はHaht Commerce(GSXによって買収された)やノースカロライナのSAS Instituteで働いていた。

 Rollerの開発後、ジョンソン氏はO'Reilly Mediaの求めに応じて同技術に関する記事を執筆し、これが大きな注目を集めた。ジョンソン氏はそれからすぐに、Rollerソフトウェアを実装した最初のサイトである「FreeRoller.net」の存在を知る。同サイトはアンソニー・エデン氏が開設したもので、のちにJavalobbyに引き継がれ、JRoller.comとなった。

 「Sunが社員ブログを始める前に、FreeRollerはすでにJRollerへ移行していた。ある日、わたしはSunがRollerを使用しているのに気がついて、(SunのWeb技術担当ディレクターである)ティム・ブレイ氏に電子メールを出し、JavaOneに出かけていった」(ジョンソン氏)。その直後に、同氏はSunに転職している。

 ジョンソン氏は、自身の職務内容を自ら決めることができた。「そんなわけで、今日に至っている」(ジョンソン氏)

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