文書や画像情報のデジタル化を推進するには、現場でドキュメントソリューションの構築に携わる人間の「即戦力度」が重要だ。それを測る指針としてCompTIA(The Computing Technology Industry Association)より提供されている認定資格が「CDIA+」である。
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オフィス環境の電子化については、「OA」という言葉でくくられ、さまざまな形で検討されてきた。その主要な目的としては、情報の共有と活用による業務効率の向上や、ペーパーレスを推進することによるコストの削減などが挙げられることが多かった。
しかし現在では、法対応を視野に入れ企業コンプライアンスや内部統制を確立するためにも、文書の電子化および管理ソリューションの導入は「必須」になっている。こうした状況下では、情報システム部のスタッフにも、日々の保守管理だけではなく、社内でコンサルティングを行い、マネジメント層に最適な社内システムを「ソリューション提案」する能力が求められる。その際、問題を解決し、よりよい環境へと改善するためのクロージングスキルを身につける指針となるのが、CompTIAの提供する認定資格、「CDIA+」だ。
CDIA+は、サーバやネットワーク、セキュリティなど分野ごとに制定されたCompTIA認定資格の1つであり、ドキュメントイメージング分野を担うものだ。前述のとおり、最適な文書管理へのコンサルテーション及びソリューション提案力を向上させるため、まずはその基礎となる現場力の向上に主眼が置かれている。
とはいえ、細かく技術的なことだけが問われるのではなく、「ビジネス要件の定義」や、「ビジネスプロセスの分析」、「ソリューションの設計と提案」、そして「実行計画」といったことに関し、現場での最適な解決方法が出題される。そのため、CDIA+を取得するために学習をし、実際に認定されることで、自然と現場における問題解決力やソリューション提案力を身に付けることができる。
2005年11月には、リコーテクノシステムズが、全国に展開するカスタマーエンジニア約4000名に対しCDIA+を含むCompTIA認定資格各種を取得させることを計画、といった発表があった。MFPベンダー各社も、追随する動きを見せている。ユーザー環境を理解した上で、最適なソリューションを構築する能力を育てるCompTIA認定資格は、まさに情報システム部の目的とも合致しており、またコンテンツ/ドキュメントマネジメント管理という分野では、CDIA+以外に有力な認定資格は見当たらない。文書管理という分野が注目を集めている今だからこそ、導入を検討する価値があるのではないだろうか。
表 CompTIA認定資格の概要
概要 | 対象 | |
---|---|---|
A+ | クライアント環境の運用/管理業務における、顧客側の環境の理解と最適な環境へ導く能力を評価 | クライアント環境の理解/改善を要するカスタマエンジニア、フィールドサポート、コールセンター、営業、インストラクタ、システムエンジニアなど |
Network+ | ネットワーク技術業務における、顧客側の環境の理解と最適な環境へ導く能力を評価 | 顧客のネットワーク環境の理解/改善を要するカスタマエンジニア、フィールドサポート、コールセンター、営業、インストラクタ、システムエンジニアなど |
Server+ | PCサーバの運用管理業務における、顧客側の環境の理解と最適な環境へ導く能力を評価 | 顧客のサーバ環境の理解/改善を要するカスタマエンジニア、フィールドサポート、コールセンター、営業、インストラクタ、システムエンジニアなど |
CDIA+ | ドキュメントソリューションを提案できる人材を評価 | プリンタ、スキャナなどを扱うCEの上位レベル、ドキュメントソリューションを提案する営業、コンサルタント営業、SEのエントリーおよびミドルレベル |
Security+ | セキュリティ技術業務における、顧客側の環境の理解と最適な環境へ導く能力を評価 | 顧客のセキュリティ環境の理解/改善を要するカスタマエンジニア、フィールドサポート、システムエンジニアコールセンター、インストラクタ、など |
i-Net+ | インターネット技術業務における、顧客側の環境の理解と最適な環境へ導く能力を評価 | 顧客のインターネット環境の理解/改善を要するカスタマエンジニア、フィールドサポート、コールセンター、営業など |
Linux+ | Linux技術業務における、顧客側の環境の理解と最適な環境へ導く能力を評価 | 顧客のLinuxサーバ環境の理解/改善を要するカスタマエンジニア、フィールドサポート、コールセンター、営業、インストラクタなど |
e-Biz+ | e(IT)ビジネス推進の流れを作らなければならない人材の知識と、最低限のクロージング、サポート能力を評価 | マーケティングやIT営業などの非技術者がメインターゲット。顧客と接点を持つSEなどの技術者も対象 |
CTT+(CBT) | 業界横断型インストラクタ資格。受講生の信頼を掴む、コミュニケーション、プレゼンテーション、インストラクション能力 | インストラクター、技術トレーナー、教員、管理職やスーパーバイザーなど、プレゼン能力、コミュニケーション能力を必要とする業務担当者 |
CTT+(VBT) | CTT+(CBT)の二次試験。20分間インストラクションしている姿を取ったビデオを提出 | 同上 |
Project+ | プロジェクトの成功に必要なビジネス知識・個人のスキル | マネージャー、コンサルタントクラス |
HTI+ | ホームインダストリーのオートメーション化における、様々な環境(水周り、音響、照明、ネットワーキングなど)の理解と、最適な環境へ導く能力 | IT技術者、DIY事業者、建築、電気技師、HVACインストラクタ、オーディオインテグレータ、セキュリティ技術者など |
RFID+ | RFID製品のハードウェアおよびソフトウェア機能のインストール、メンテナンス、リペア、維持管理におけるRFIDに関する知識とスキルを評価 | RFIDベンダー、RFIDリセラー/ソリューションプロバイダー/システムインテグレーター/サービスプロバイダー、RFIDシステムを提案するコンサルタント会社、エンドユーザー企業 |
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