開発中の「Windows Vista」日本語版公開

開発途中の「Windows Vista」日本語版をマイクロソフトが披露。ウインドウが透けて見える「Aero」などが特徴だ。

» 2006年04月21日 15時48分 公開
[ITmedia]

 マイクロソフトは4月21日、開発途中の次期OS「Windows Vista」日本語版を報道関係者向けに披露した。ウインドウが透けてみえる「Windows Aero」やセキュリティの強化などが特徴。企業向けに11月から提供を始め、一般ユーザー向けには来年1月に発売する予定だ。

photo 開発中のWindows Vista日本語版(ビルド5365)。「Windows Aero」の効果でウインドウのタスクバーとフレームが透けて下のウインドウが見えている

 Windowsのメージャーバージョンアップは2001年11月に発売されたWindows XP以来。この間、PCに接続されるデジタル機器は急速に増え、デジカメで撮った写真や、CDやダウンロードで取り込んだ音楽など、1人のユーザーがPCで扱うファイルは確実に増えた。PCとそのユーザーを狙うセキュリティ上の脅威は、PC業界が直面する最大の課題の1つにもなった。

 「美しい眺望」などを意味する「Vista」と名付けられた新Windowsは、「混沌としたデジタル世界にクリアな視界を」(同社)と投入する新製品。安全な環境下で素早く「したいこと」を見つけることができ、さらに最新のデジタルエンターテイメントも楽しめる──というふれ込みだ。

 当初は年内に搭載PCが発売される予定だったが、3月に延期が発表された(関連記事参照)

photo Windows Vistaのラインアップ
photo 3D表示もVistaの特徴。実行中のアプリケーションウインドウを選んでいるところ

 Vistaの目玉の1つとなる新GUI「Aero」では、ウインドウのタスクバーとフレームが半透明になっており、下のウインドウの内容などが透けて見えるようになっている。同社は「視覚面の美しさに加え、作業の効率アップも図れる」としている。

 3D表示の多用や、画面下部のタスクバー上にカーソルを合わせると、起動中アプリケーションのウインドウがサムネイル化されてポップアップする機能など、見栄えの良さはXPから格段に向上。日本語表示は新フォント「Meiryo」に一新されている。

 悪意あるプログラム(マルウェア)の削除ツールや、Internet Explorer 7のフィッシングサイト警告機能など、セキュリティへの配慮もXP SP2から進化している。またデスクトップサーチ技術を取り込んでPC内の検索機能も向上しており、目的のファイルを見つけやすくなっている。

photo フォルダアイコンの大きさはスライダーで自由に変更でき、フォルダ内のファイルの概要も表示。どのフォルダにどんなファイルがあるのかを分かるようにした
photo サイドバー機能は時計や天気予報、RSSリーダーなど。時計のデザインは8種類がプリセットされているようだった

 Aeroが使えるのは、ホームユーザー向けの場合は「Home Premium」か「Ultimate」のみ。ただしPCのスペック、特にグラフィックスカードが要求スペックに満たない場合、Aeroを利用できない可能性がある。米調査会社Gartnerは、現行PC製品のうち、Vistaをフルに動かせるのは半分程度とみている(関連記事参照)

 Vistaは現在はβ2段階。4〜6月期中には、幅広いユーザーを対象にしたパブリックβ版の公開を予定している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ