MSがOpenAJAX構想への協力を検討中(1/2 ページ)

Ajax開発環境の改善を目指すオープンな取り組み「OpenAJAX」への参加を呼び掛けられたMicrosoftは、企業間コラボレーションにどのような形でかかわるのか検討中だ。この構想を発表したIBMは、WebサービスにおけるMSとの協力と同じ効果を期待している。

» 2006年05月15日 18時01分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Ajax開発環境の改善を目指した取り組みを進めている企業グループへの参加を呼び掛けられたMicrosoftは、「OpenAJAX」構想と呼ばれる企業間コラボレーションにどのような形でかかわるのか検討中だ。

 MicrosoftでWebプラットフォーム/ツールを担当する主任プロダクトマネジャー、ブライアン・ゴールドファーブ氏は5月11日、eWEEKの取材に対して、同社はAjax(Asynchronous JavaScript and XML)のオープン標準化を目指している企業グループと対話する用意があることを明らかにした。

 「Ajaxに関するオープンなコラボレーションというのは素晴らしいアイデアだ。これは当社が注力していることでもある。われわれがAtlasでやったことを見てもらいたい」とゴールドファーブ氏は語る。AtlasはMicrosoftのAjax開発フレームワークである。

 OpenAJAXプロジェクトを立ち上げた、IBMでインターネット技術を担当するロッド・スミス副社長は、サンフランシスコで開催された「Ajax Experience」カンファレンスにおいてeWEEKの取材に答え、「OpenAJAXグループは、MicrosoftがAtlasでやった仕事を評価し、同社に参加を呼び掛けた」と語った。

 スミス氏によると、OpenAJAXグループはMicrosoftに同グループへの参加を呼び掛けただけでなく、今週サンフランシスコで2日間にわたって開催されるグループの会合にも招待したという。なお、13社の企業が先週、OpenAJAXグループに参加した(関連記事参照)。

 「OpenAJAXは興味深い取り組みであり、このコミュニティーでの共同作業は開発者にとって良いことだ」とゴールドファーブ氏は話す。

 「Microsoftはつい最近、OpenAJAXへの参加招待状を受け取った。われわれは、Ajaxに取り組む開発者に協力するためのベストな方法について対話する用意がある」(同氏)

 Microsoftは、Atlasチームのグループ製品マネジャー、ブラッド・エイブラムズ氏をAjax Experienceカンファレンスに代表として送り込んだ。同氏は5月12日にスピーチを行った。

 IBMのスミス氏によると、MicrosoftがWebサービス分野でそうしたように、Ajaxでも同社が話し合いのテーブルに着くのを期待しているという。Webサービス分野では、MicrosoftとIBMが手を組んで、同技術の標準化に向けた取り組みをリードした。

 「これはXMLおよびWebサービスで経験済みだ。彼らがAjax Summitに参加するのを拍手で迎えたい。Webサービスをめぐる初期の会合を通じて得られたのと同じ成果が得られるものと期待している」とスミス氏は語る。これらの会合では、IBMやMicrosoftなどの企業が、Webサービス標準の初期原案を作成した。

 「できるだけ多くの企業に参加してもらいたい。Java EE(Enterprise Edition)のほか、PHPや.NETなどのバックエンドがAjaxをサポートする可能性があるからだ。どのドアも閉ざしたくない。Microsoftが参加するのを願っている。これは仲良しクラブではないのだ」とスミス氏は話す。

 しかしゴールドファーブ氏によると、OpenAJAXはAjax分野の中でもツール側にフォーカスした取り組みであるのに対し、「われわれはAtlasプロジェクトでフレームワーク側に強くフォーカスしている」という。

 「Microsoftは現在、Ajax開発を簡素化するツールを提供しており、何万人もの開発者がAtlasのコードネームで呼ばれるASP.NETを利用している。Atlasは2005年9月に最初にリリースされた」とゴールドファーブ氏は話す。

 「われわれは2006年3月に、Go Liveライセンスを提供した。このライセンスにより、開発者は今すぐ、Atlasアプリケーションの開発・配備を始めることができる」(同氏)

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