一方、まだOpenAJAXのメンバーでないが、Ajax Summitへの参加を予定しているもう1社の企業がSun Microsystemsである、とスミス氏は話す。
IBMが2月にOpenAJAX構想を最初に発表したとき、Sunで開発ツールのマーケティングを担当するディレクター、ダン・ロバーツ氏は、次のように語っていた。
「Ajaxはクライアントサイドの技術であり、サーバサイドのJavaや.NET、LAMP(Linux、Apache、MySQL、PHP/Perl/Python)に依存しない。うまくいけば、この技術はIT分野全体で利用できるだろう。Ajax構想は数多く存在するが、開発者がツールセットを選択するのに伴い、統合が進むだろうという点でSunとIBMの見方は一致している」
OpenAJAXグループに先週参加したAdobeのケビン・リンチ上級副社長兼チーフソフトウェアアーキテクトによると、Adobeはサンフランシスコにある同社の施設で開催されるAjax Summitの協賛企業になるという。
「この会合でどんな成果が得られるのか楽しみだ」とリンチ氏は話す。さらにAdobeでは、同社が最近発表した「Spry Framework」をOpenAJAXプロジェクトに寄贈する考えだという(関連記事参照)。Spry Frameworkはデザイナー向けの技術で、デザイナーがAjaxを簡単に扱えるようにするのが狙い。
TibcoでTibco General Interfaceを担当するプロダクトディレクター、ケビン・ハックマン氏によると、同氏もAjax Summitに出席し、Tibcoから幾つかのアイデアを提案する予定だという。
「われわれはAjaxコンテナについて考えがある。これはJ2EE(Java 2 Enterprise Edition)コンテナのようなものだが、Ajaxを対象としたものだ」とハックマン氏は話す。
Yahoo!でAjaxエバンジェリストを務めるビル・スコット氏によると、同社もOpenAJAXのイベントに参加するという。「フォーラムを開催するだけでも意義がある。コラボレーションが生まれるからだ」とスコット氏は話す。
今回のイベントに参加する「Dojo」プロジェクトの共同創始者、アレックス・ラッセル氏も同じ考えだ。「われわれはコラボレーションの可能性に大いに期待している」と同氏は話す。DojoはAjaxフレームワークの1つ。
一方、5月11日にAjax Experienceカンファレンスでキーノートスピーチを行ったZimbraのスコット・ディーツェン社長兼CTO(最高技術責任者)は、「Ajaxは今後もすべてのブラウザ、すべてのデスクトップに対応すべきだという共通認識」を好ましく思っている。
ディーツェン氏は、「Microsoftではないわれわれのような企業」がAjax分野で成功するための最善の方法は、標準ベースのソリューションで互いに協力することだと考えているという。
「Microsoftの技術スタックはすでに存在する。彼らはAtlasとVisual Studioで良い仕事をした」と同氏は話す。ディーツェン氏は、「Ajax分野では、同社以外のプロプライエタリベンダーが地盤を確保するのは非常に難しい」と考えている。
「最善策はオープンソース陣営と協力することだ」(同氏)
しかしYahoo!nスコット氏は、「『OpenAJAX対Microsoft』という図式にならないことを願っている。最後まで全員で協力する必要がある」と話している。
先週発表されたOpenAJAXの新メンバーは、Adobe、Backbase、Fair Isaac、ICEsoft、Innoopract、Intel、JackBe、Opera、SAP、Scalix、Software AG、Tibco、XML11の13社。同グループ創設時のメンバーは、BEA Systems、Borland、the Dojo Foundation、Eclipse Foundation、Google、IBM、Laszlo Systems、Mozilla、Novell、Openwave Systems、Oracle、Red Hat、Yahoo、Zend、Zimbra。
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