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進化する!データベーステクノロジー:

RDBMSの進化の歴史をおさらいしよう (1/2)

データベースは、現在の企業システムの基盤としてなくてはならないソフトウェアである。現在の主流であるリレーショナルデータベースが登場してから約30年経つが、その長い歴史はデータベースがいかにITにとって適合しているのかを物語っている。「枯れた技術」でありながら、今なお進化を続けるデータベースに求められる最新機能を、これまでのデータベースの進化を振り返りながら考えてみよう。
2006年05月18日 07時00分 更新

このコンテンツは、オンライン・ムック「進化する!データベーステクノロジー」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。


リレーショナルデータベースの進化

 リレーショナルデータベースは、1970年にE.F.Codd氏によって提唱されたデータベースモデルで、列と行で構成される表にデータを格納するようになっている。列は項目を、行はデータのレコードを示し、データ定義およびデータ操作を行う言語のSQL(Structured Query Language)を利用し、自由な形式でデータベースを扱える。リレーショナルデータベースには、業務ソフトウェアのプログラムとデータが分離独立しているため、データの構造が変わってもプログラムが影響を受けにくく、データの出し入れが容易という特徴がある。これにより、データを蓄積して活用するという活用が実現可能になった。

 最初のリレーショナルデータベースは、IBMが1970年代に開発した「System R」だと言われている。ちなみに、SQLはこのSystem Rを操作するために実装されていた「SEQUEL」をベースにANSIによって規格化、ISOによって標準化されたものだ。ただし、System Rは研究目的で開発されたものであり、リレーショナルデータベースが最初に製品化されたのは、1979年にリレーショナルソフトウェア(現オラクル)が発売した「Oracle RDBMS」だ。IBMが商用リレーショナルデータベース「SQL/DS」を発売したのは、それより2年後の1981年のこと。リレーショナルデータベースの製品化が遅れたのは、パフォーマンスの問題だったという。

 1980年代には、商用データベースが続々と登場する。前述のOracle Databaseをはじめ、リレーショナルデータベースシステムズ(のちにインフォミックスへ社名変更、2001年にIBMが買収)の「Informix」、マイクロソフトと共同開発したサイベースの「Sybase SQL Server」(現在は提携を解消し、Sybase Adaptive Server Enterpriseへと名称変更)、IBMの「DB2」、グロントンデータベースシステム(のちにアシュトンテイトが買収、現在はボーランド)の「InterBase」などの製品が続々と登場した。

 一方、国内のコンピュータベンダーもリレーショナルデータベースの開発に着手。富士通の「Symfoware」、日立の「HiRDB」は、1990年代に誕生した。

 リレーショナルデータベースは、データを格納する表、表を扱うための言語であるSQL、そしてSQLによって出された命令に従って表を操作、管理するデータベースエンジンの3つの機能で構成されている。データベースエンジンは、データベースマネジメントシステム(DBMS)と呼ばれ、リレーショナルデータベースを管理する仕組みはRDBMSと言う。

 そのデータベースエンジンは、インフォミックスによって大幅に改良された。同社は、買収した、オブジェクト指向データベースIllustraのオブジェクト指向技術をInformixのエンジンに取り入れ、データの集合体とその手続きをオブジェクトとしてまとめて管理し、それを扱えるようにした。これは、のちにOracle DatabaseやDB2など、他のリレーショナルデータベースにも取り入れられている。

 また、従来はリレーショナルデータベースで扱いにくかった、文書やメールなどのバイナリファイル、画像/音声のようなマルチメディアデータなどの不定型データも格納する機能(BLOB:Binaly Large OBject)により、現在のデータベースは、あらゆる情報のストレージとしての性格を強めている。

 1990年代前半、企業システムがメインフレームからUNIX系オープンシステムへとダウンサイジングしていった際に、オラクル、サイベース、インフォミックスが3大リレーショナルデータベースと呼ばれた時代があった。しかし、オープン系システムがUNIXからWindowsやLinuxへとシフトし、また一時期のクライアント/サーバシステムからインターネット技術によるWebアプリケーションサーバシステムに集約される時代になると、メインフレームベンダーが提供してきたデータベース製品が再び台頭する。そして、1990年代から2000年過ぎにかけて、サイベースとマイクロソフトの提携解消、IBMのインフォミックス買収などの業界再編を経て、現在のデータベース市場に収束するに至った。

 現在、世界のデータベース市場は、オラクル、IBM、マイクロソフトが3強である。このトップ3社を合わせると、約9割ものシェアになる。日本では、これらの世界3強に加え、富士通や日立の国産データベース製品も大きなシェアを持つ。ガートナージャパンが2005年7月発表した2004年の国内データベースソフトウェア市場調査によると、Oracle Databaseがトップシェアであり、IBMのDB2、マイクロソフトのSQL Server、富士通のSymfoware、日立のHiRDBと続く。ここまでが1割を超えるシェアを持ち、トップ5社で約9割のシェアになる。日本市場だけ特異なのは、メインフレーム時代からのデータベースユーザー、あるいは国産品に限るという要件を出すユーザーが存在するためだ。

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