Eclipseと対立していたSunだが、今はEclipseに協力し、SWTへのサポートを提供している。
米Sun MicrosystemsとEclipse Foundationは数年にわたって対立し、相手の取り組みを尊重したがらなかったが、今は積極的に協力し合っている。
5月17日のJavaOneでの取材の中で、Eclipse Foundationのエグゼクティブディレクター、マイク・ミリンコビッチ氏は、同団体はSunからEclipseプロジェクトへの最初の協力者を認めたと語った。
「今の時点で、われわれにはSunからの最初の協力者がいる。彼らはEclipseプラットフォームに、Solaris x86/Motif向けSWT(Standard Widget Toolkit)を実現するためのコードを提供した」(同氏)
同氏によると、2カ月前にSunのチーフ・オープンソース・オフィサーのサイモン・フィップ氏がEclipse Foundationに接触し、Sun Solaris x86チームの数人の開発者がEclipseをSolaris x86プラットフォームに対応させたがっていると話したという。
そこでSunはこのプロジェクトへの取り組みを進め、それをEclipseに寄贈したと同氏は言う。
「EclipseとSunにとって本当に有意義なことだ。両者の協力における賢明な第一歩だ」(同氏)
Sunの以前のスタンスは、SWTはSwing(Sunの標準Java GUIライブラリ)ベースではないため、Javaを壊すというものだった。SwingはJava Standard Edition向けのリファレンスGUIツールキットで、SWTはIBMがEclipseプラットフォームの一部として構築したライブラリだ。両者に直接の互換性はない。
匿名希望のある開発者は実際にJavaOneで、Eclipseの問題は「SWTだけだ。Swingの方がずっといいからだ」と話していた。
Sunは和解を申し出て、Eclipseの新たな取り組みを通してSWTへのサポートを提供しているとミリンコビッチ氏。
これは、NetBeansで競合するオープンソースJava開発フレームワークを維持しているSunとEclipseのさらなる協力を示すものなのかとの問いに対し、同氏は、「これは小さく明確な最初の一歩だ。憶測はしたくない」と述べた。
同氏は以前から、SunがEclipseに参加してくれたらありがたいと考えていた。2年前に両者の間で話し合いがあり、SunがEclipse参加を真剣に検討するところまでいったが、結局後退した。Eclipse側は、Eclipse(日食)という名称はSun(太陽)に対して侮辱的だという意見が一部にあったため、名称を変えることまで申し出た。だが同氏は最近のブログで、Sunの参加を繰り返し歓迎しつつも、「追伸:名前は変えない」と付け加えている。
eWEEKのJavaOneでの取材の中で、Sunのソフト担当上級副社長リッチ・グリーン氏は、同社はNetBeansの改良とエコシステムの拡大にフォーカスしていると語った。同氏はミリンコビッチ氏と同様に、競争は双方のツールをより良いものにするため、Javaと開発コミュニティーにとっていいことだと話した。
競争はいいことだが、協力もいいことだとミリンコビッチ氏。
これとは少し異なる話だが、Sunは同社のWSIT(Web Services Interoperability Technology)――Microsoftの.NET環境とJavaプラットフォームの相互運用性実現のためにMicrosoftと協力して開発している――がオープンソースコミュニティーに提供されると発表した。
WSITは、SunとMicrosoftでWebサービス相互運用性を提供するために進められているProject Tangoの一部。
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