「事前の削除」で無駄を一掃するマネジャーの教科書(1/3 ページ)

仕事を行き詰まらせ、その完了を妨げるガラクタやごみのことはクラッタ(clutter)と呼ばれる。仕事を始めるに当たって、そこで使う資料やデータをいつ削除するのかを同時に決めてはどうだろうか。

» 2006年05月26日 09時17分 公開
[Lion-Kimbro,IT Manager's Journal]
SourceForge.JP Magazine

 仕事を行き詰まらせ、その完了を妨げるガラクタやごみのことをクラッタ(clutter)と呼んでいる。このクラッタのせいで、仕事を始めようとするわれわれの手が止まってしまうことがおうおうにしてある。仕事を始めるに当たって、そこで使う資料やデータをいつ削除するのかを同時に決めてはどうだろうか。

 この記事は最近出版された書籍「Mind Performance Hacks: Tips & Tools for Overclocking Your Brain(精神的パフォーマンスを高めるテクニック:脳を高速化するヒントとツール)」(copyright (c) 2006, O'Reilly Media, Inc. 無断複写および転載を禁ず)の一部を抜粋したものです。

 コンピュータのデスクトップは無数のアイコンで埋めつくされている。メーラの受信箱には大昔のメールが詰まっている。そして、机の上には書類、郵便物、雑誌、印刷した文書、古いメモや要点が書き込まれたノートが溢れ返り、このまま積み上げていけば、ちょっとしたバベルの塔が出来上がりそうだ。

 現実を直視しよう。これまで、何かを整理して要らないものを選り分けようとすると、決まってそのほとんどはガラクタだったはずだ。そのうちに使うだろう、いつかはそのガラクタのほんの一部が必要になるから捨てずに取っておこう、われわれはそう考える。中には、過去の栄光にすっかり取りつかれ、無数のアイデアを見直して組み合わせ、優先順位を決めて計画化し、何らかの成果に仕立て上げようとする人もいる。あるいは、いつかこうしたメモのどれかが必要になったときになかったら困る、と心配してしまう。さらに、優れたアイデアがこの先もずっと思い浮かぶとは限らないからと、今のうちにアイデアを貯めておこう、と思うかもしれない。ところが、アイデアを貯め込み、整理して実行し、その結果に落胆するまでには、膨大な時間がかかる。そのため、結局そうしたアイデアはどれ1つ実現されることはない。

 自分のアイデアへの愛着が強すぎるのか、単にクラッタの山に悩んでいるだけなのかはさておき、以下では、今後現れるクラッタをすばやく一掃するためのちょっとしたテクニックをお伝えする。「事前の削除(pre-delete)」と呼ばれる簡単なテクニックだ。唯一、難しいのは、そのテクニックを実践したいと思う状態に気持ちを切り替えることだ。

 「何1つ捨てたくはない」というあなた、心配は無用。この点については後ほど話をする。「コンピュータがあれば、何でも永遠に記憶できる」とおっしゃる方、その点についても後で説明しよう。「記憶容量は何Tバイトもあるのだから ― 」と考えたくなる気持ちも分かるが、とにかくこの先を読んでいただきたい。

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