マイクロソフト、モバイルと組み込み分野の開発者に向けたカンファレンスを開催

マイクロソフトは5月31日、都内でモバイルおよび組み込み分野の開発者に向けたカンファレンスである「Microsoft Mobile & Embedded DevCon 2006」(MEDC)を行った。基調講演では、今年後半出荷予定のWindows CE 6などが披露された。

» 2006年05月31日 16時34分 公開
[柿沼雄一郎,ITmedia]

 マイクロソフトは5月31日、都内でモバイルおよび組み込み分野の開発者に向けたカンファレンスである「Microsoft Mobile & Embedded DevCon 2006」(MEDC)を行った。モバイルや組み込み機器向けOSである同社のWindows MobileおよびEmbeddedに関連する技術情報や最新動向などが紹介されるイベントで、全世界9カ国で開催される予定。国内では2年ぶりとなる。

 今年はWindows CEが誕生して10周年にあたり、また新たなWindows Mobile 5.0搭載デバイスやWindows CE 6のリリースが予定されているなど、この分野における同社の活動に注目が集まっている。国内初のWindows Mobile 5.0デバイス、ウィルコムのシャープ製端末「W-ZERO3」がヒットし、NTTドコモも今年後半に同OSを搭載したキーボード付き端末の投入を決めている。こうした背景もあり、聴講者数は当初予想のほぼ二倍に達するなど盛り上がりを見せた。

 米国本社から来日したモバイル&エンベデッドデバイスプロダクトグループ ジェネラルマネージャのミッシェル・フリード氏は、基調講演でこの分野の好調ぶりをアピールした。

Microsoft モバイル&エンベデッドデバイスプロダクトグループ ジェネラルマネージャ ミッシェル・フリード氏

 W-ZERO3は国内で2005年12月に出荷が開始され、2006年5月末時点の出荷台数で15万台と急速な普及を見せている。

 Windows Mobileに関しては、こうした動きを一般ユーザーにまで広げていくのが2007年以降の目標とフリード氏は言う。「今後数年間を描く説得力のあるロードマップでこの動きを後押ししていく。Windows Mobileの次バージョンでは2007 Office Systemとの連携も強め、また2008年以降はVoIP利用時に有効な電力管理機能の強化を図るなど、ビジネスユーザーとともに一般ユーザーの拡大を目指していく」(フリード氏)

 Windows Embeddedの売上は4四半期続いて40%成長し、日本ではライセンス売上が113%伸びており、製品シェアは59%となっている。特に流通業向けのWindows Embedded for Point of Service(WEPOS)は、POS/キオスク端末など多くのデバイスに組み込まれたり、Windows CEは東芝の音楽プレーヤーに搭載されるなど、大きな広がりを見せている。今後は、.NET Micro Frameworkを活用した多くの小型デバイスの出現も、同社は期待しているようだ。

 「マイクロソフトのビジョンは、『PCをすべての机の上に』だけにとどまらない。コンピュータが誰にでも利用できるように、PCだけでなくさまざまなデバイスによって、人々の間に浸透させていくことこそが重要」(フリード氏)

Microsoft モバイル&エンベデッドデバイスグループ シニアテクニカルプロダクトマネージャ マイク・ホール氏は、新しいWindows CE 6で、同時に108個のプロセスを実行するデモを披露

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