Xbox LiveはPCからの接続が可能に――三つ巴の市場と厳しい戦費(1/3 ページ)

Live Anywhereと称するイニシアチブのもと、Windows Vistaでは、PCからXbox Liveへのアクセスが実現される。いずれは、モバイルデバイスからXbox Liveへのアクセスも可能になる予定であるが、コンソール市場は今後も三つ巴の戦いが続きそうだ。

» 2006年06月05日 07時00分 公開
[Matt Rosoff,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 2006年5月に開催されたElectronic Entertainment Expo(E3)におけるMicrosoftの発表は、“サプライズ”というよりも、波に乗る“勢い”を印象付けようとする内容だった。同社は今回のE3で、かねてからの公約だったPCからオンラインゲームサービスのXbox Liveへのアクセスの実現や、新しいXbox 360用アクセサリーとしてHD DVDプレーヤーの提供、リリース予定のゲームタイトルなどを発表している。また、モバイルゲーム構想についても発表されたが、詳細は不明である。一方ライバルのソニーはPlayStation 3(PS3)の価格を発表したが、Xbox 360と比べて少なくとも100ドル以上高い価格が設定されている。Microsoftにとっては、次世代コンソール市場での先行リードを保つ有利な材料となりそうだ。同じくライバルの任天堂は、次期コンソールWii(“ウィー”)のデモを行い好評を博している。コンソール市場は今後も三つ巴の戦いが続きそうだ。

PCからXbox Liveへのアクセスがようやく実現

 E3は、今後1年間にリリースが予定されている製品が一堂に会するゲーム業界最大のイベントである。今年のE3におけるMicrosoftの発表は、既に30カ国以上でXbox 360コンソールの提供を開始していることを背景に、現在の勢いが止まらないことを印象付けようとした内容だった。一方、ライバルのソニーや任天堂は、2006年後半にリリースを予定している次期コンソールの話題に終始している。

 Microsoftの主な発表内容は、次のとおりだ。

Live Anywhere Live Anywhereと称するイニシアチブのもと、Windows Vista(2007年始めにコンシューマ向けリリースが予定されているMicrosoftの次期デスクトップOS)では、PCからXbox Liveゲームサービスへのアクセスが実現される見込みだ。またいずれは、モバイルデバイスからXbox Liveへのアクセスも可能になる予定である。

 VistaにおいてXbox Liveへの接続が可能になることで、PCゲーマーはどのプラットフォームからでも一貫したオンラインエクスペリエンス(ユーザーIDやゲームの途中経過など)を共有できるようになる。また、Xbox Live上でほかのゲーマーと会話したり、プラットフォームの垣根を越えて複数のプレーヤーで敵味方に分かれてゲームを楽しむことができる。Microsoft Game Studiosは最初のPCおよびXbox 360対応マルチプラットフォームゲームとなるShadowrun(オフラインのロールプレイングゲームを基にしたゲーム)をVistaと同時期にリリースする予定だ。

 PCとXboxの連携という考え自体は、新しいものではない。Microsoftが初めてPCからXbox Liveへの接続を可能にする計画を発表したのは2004年春に開催されたGame Developers Conferenceのことであり、その際にリリースが予定されているゲームの1つVanguard: Saga of Heroesはクロスプラットフォーム対応になることを発表している。ただし、Vanguardの開発は遅れているうえ、2006年5月に開発元のSigilは、同タイトルの版権をMicrosoftから買い戻し、ソニーと新たに契約を結ぶ計画を発表した。

 またMicrosoftは、モバイルデバイスからXbox Live上でインスタントメッセージを送信したり(現在受信は可能)、モバイル版のアーケードゲームやコンソールゲームに対する変更(例えばレーシングゲームの車のアップグレード)といったアイテムをXbox Liveマーケットプレースから携帯電話へダウンロードできるようにする計画も発表された。

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