Xbox LiveはPCからの接続が可能に――三つ巴の市場と厳しい戦費(2/3 ページ)

» 2006年06月05日 07時00分 公開
[Matt Rosoff,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 同社は、JavaやQualcommのBREW(Binary Runtime Environment for Wireless)などWindows Mobile以外のプラットフォームを実行する携帯電話からもこれらのサービスを利用可能にし、2007年のE3までに提供を開始することを約束している。ただし、利用料金や対応する携帯キャリアの制限の有無など、詳細は不明な点が多い。

アクセサリー Microsoftは、次のようなXbox 360用の新しいハードウェアアクセサリーを発表した。

  • HD DVD高精細ビデオディスクプレーヤー。ただし、Xbox 360はHDMI(High-Definition Multimedia Interface)出力には対応していないため、ディスクによっては最大解像度で再生できないことが考えられる。HDMI出力は、一部のディスクのコンテンツ保護技術で必要な場合がある(PS3には、競合規格であるソニーのBlu-ray Discプレーヤーが標準で搭載される予定だ)。
  • CCDカメラ。Xbox Live Gold(年間基本料50ドル)の会員であれば、ビデオチャットやフォトメッセージの送信、ゲーマー各自の写真のカスタマイズが可能になる。
  • ワイヤレスレーシングホイール(レーシングゲーム用のワイヤレスハンドル)
  • ワイヤレスヘッドセット(現行のヘッドセットはコントローラに接続する必要がある)。
  • 256Mバイトのメモリユニット。ゲームの途中経過やプロファイル、Xbox Liveアーケードのタイトルなどのコンテンツを保存できる(現在提供されているメモリユニットは64Mバイト)。

ゲームタイトル Microsoft Game StudiosからはXbox 360用の新しいゲームタイトルが10本以上、サードパーティのパブリッシャからはさらに多くのタイトルのデモが行われた。特に注目を集めたのは、次のタイトルである。

  • Halo 3 初代Xboxで最も人気のあったタイトルのシリーズ第3弾である。Xbox 360版が2007年にMicrosoft Game Studiosからリリースされる予定だ。
  • Fable 2 200万本が売れた人気タイトルの第2弾である。当初の開発元はLionhead Studiosだが、Microsoftは2006年初頭に同社を買収している。リリース予定時期は未発表。
  • Grand Theft Auto 4 ソニーのPS2で極めて好評を博しているシリーズの次期リリースである。同タイトルは、PS2の売上に大きく貢献したとされている。2007年後半にXbox 360およびPS3用が同時に発売される予定だ。
  • アーケード提供予定の定番ゲーム バンダイナムコ(パックマン、ギャラガ、Dig Dug)、Konami(Frogger、Scramble)、Midway(Defender、Ultimate Mortal Kombat 3)の定番タイトルが、Xbox Liveアーケードからダウンロード提供される。

次世代コンソールの険しい戦況

 Xbox 360の戦術を踏襲し、ソニーはPS3を2バージョンで展開する予定だ。いずれもXbox 360の対抗バージョンよりも200ドル近く高い価格が設定されている。ただし、価格が高いぶん搭載機能は勝っている。PS3ではどちらのバージョンでも、Blu-ray高精細DVDドライブおよびハードドライブ(Xbox 360のローエンドモデルでは非搭載)が標準で搭載される。また、PS2およびPS1ゲームとの下位互換性も完全に確保されている。

 それでも、やはり価格の高さがPS3の初期の売上にブレーキをかける可能性がある。特にXbox 360のリリースから1年遅れてのリリースになることと、2006年11月のPS3リリースまでに約150種類のXbox 360ゲームタイトルが提供される見込みであることを考えると、この価格差はネックになる。また、この差額をもってしても、PS3コンソールを1台販売するごとに約200ドルの赤字が生じると予想されており、ソニーはかなり厳しい戦費を強いられることになる。Xbox 360もコンソール1台を販売するごとに赤字(おそらく100ドル)となるが、Microsoftは今後5年でハードウェアの収支は釣り合うようになり、Xbox事業(ハードウェア、ソフトウェア、Xbox Liveのサブスクリプション)全体では2007年7月までに黒字に転換できるとしている。

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