サイバーセキュリティの仕事は難しく、常に感謝されるわけでもなく、燃え尽き症候群の報告も多いが、給与は悪くないようだ。ISC2の調査からセキュリティ業務に携わる人たちの平均年収が明らかになった。
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ISC2が、2023年4〜5月に実施した約6000人を対象とする調査によると、米国のサイバーセキュリティの専門家の平均年収は14万7138ドルだった(注1)。
サイバーセキュリティ業界の給与は高いが、男女の格差も大きい。非管理職において、女性の平均年収は13万1000ドルである一方で男性は13万8000ドルだった。また、管理職の女性の平均年収は13万8000ドルだったが、同じ職務に就く男性の平均年収は15万ドルだった。
調査によると、新入社員の平均年収が8万6000ドルであるのに対し、取締役および中間管理職の平均年収は17万5000ドルで、経営幹部の平均年収は21万5000ドルだった。
サイバーセキュリティの仕事は難しく、常に感謝されるわけでもなく、燃え尽き症候群の報告も多い。しかし給与は悪くない。さらに、サイバーセキュリティ職のトップ層の給与にはかなりの幅もある。
調査企業であるIANSとArtico Searchが2023年10月に発表した調査結果によると、CISO(最高情報セキュリティ責任者)の大半は年間で40万ドルの給与を得ている(注2)。上位10%のCISOの年間報酬は100万ドルを超える。
建設企業であるFoushee Groupが115の組織と1万6000人の従業員を対象に実施した調査によると(注3)、トップのセキュリティエグゼクティブの平均年収とボーナスを合わせた金額は47万1638ドルだった。
ISC2の分析では、男女間の給与に格差がある状態が長く続いている。
ISC2のデータによると、ディレクターや中間管理職のような上級職の女性は平均で17万7000ドルを稼ぎ、男性の同僚が稼ぐ金額よりも1%高い。経営幹部の女性は平均22万ドルを稼ぎ、同じ役割の男性が稼ぐ金額よりも4%高い。
ISC2のブログ投稿には、次のような記載がある。
「給与格差は依然としてこの業界の課題だが、サイバーセキュリティ業界は、他の業界よりも給与の均等性が高いようだ」
サイバーセキュリティにおいては、給与格差以外にも、女性の比率が極端に低いという問題がある(注4)。ISC2の調査において、米国の回答者の90%が性別を共有したが、そのうち女性はわずか15%だった。
(注1)How Much Do U.S. Cyber Professionals Make?(ISC2)
(注2)CISO salaries are up, but growth is slowing(Cybersecurity Dive)
(注3)How CISO salaries are faring as businesses ask more of security(Cybersecurity Dive)
(注4)White House looks to close massive cyber skills gap(Cybersecurity Dive)
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