年収1000万超えを目指すなら取っておきたい"5つのIT資格"CIO Dive

変化の激しいIT業界でどうすれば年収を上げられるのか。高収入ランキングトップ5の資格とは。

» 2023年12月15日 08時00分 公開
[Lindsey WilkinsonCIO Dive]

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CIO Dive

 2023年のIT業界における雇用市場は、雇用の急増とそれに伴う人員削減の波が同時に押し寄せた年だった。同年9月には主要な経済指標が下降傾向を示したが、10月にはあらゆる業種の雇用主が48万3000件のIT関連の雇用を増加させた(注1)。特に技術関連の雇用市場は回復した(注2)。

 雇用市場が“成長と縮小”の時期にもかかわらず回復傾向にあるのは、「企業が競争力を維持するために技術系人材を必要としている」「IT従事者がキャリアアップを望んでいる」という2つの要因からだ。

 学習管理システム開発会社Skillsoftで「Codecademy」の法人向けビジネスのシニアディレクターを務めるグレッグ・フラー氏は「IT人材とITスキル全体を見ると、今は需要が供給をはるかに上回っている。近年のAI(人工知能)の普及により、2024年はIT業界の給与がさらに高騰するかもしれない」と述べている。

年収アップにつながる5つの資格とは

 認定資格は労働者が専門スキルを習得するための道筋を示すものであり、従来のIT教育を補完したり、スキルの習得を補ったりできる。従業員が資格を取ることは企業にとってもメリットがある。

 Skillsoftが2023年11月14日(現地時間)に発表したデータによると、多くのITリーダーが「資格を持つ人材が年間3万ドル以上の価値を組織にもたらす」と考えていると分かった。また「資格を取得した従業員は仕事への意欲が高い」と、ITリーダーは考えている。

 「授業員と会社にとって、資格取得などへの投資は“将来の成功”に向けた投資だ」(フラー氏)

 Skillsoftのデータによると、2024年までに最も高収入が見込まれる資格は以下の5つだ(注3)。

資格1.Google Cloud 「Professional Cloud Architect」

 Skillsoftのランキングでトップになったのは、Google Cloud認定の「Professional Cloud Architect」で、平均年収は20万ドル以上だ。

 2023年にランクインした資格には、Google Cloudのインフラとサービスの知識を活用してクラウド・アーキテクチャを最適化するスキルが含まれている。2022年もProfessional Cloud Architectは平均年収16万1000ドルで3位にランクインした。

資格2.Google Cloud 「Professional Data Engineer」

 Google Cloudのもう1つの有力な資格である「Professional Data Engineer」の平均年収は19万4000ドルだ。この資格保持者の3分の2以上が2022年に資格を取得した。

 Googleは2023年11月13日に試験内容を変更しており、「CIO Dive」がGoogleの広報担当者に確認したところによると、今後の試験はML(機械学習)モデルの運用に重点を置くのではなく、データの共有や保存、ガバナンスを重視するという。

資格3.Project Management Institute 「Project Management Professional」

 「Project Management Professional」(PMP)の資格保持者の平均年収は17万6000ドルだ。この資格はSkillsoftが毎年発表する資格保持者給与ランキングの上位に長年ランクインしている。2022年には同資格認定者の年収が年収14万8000ドルに達し、ランキング7位に入った。

 Skillsoftによると、専門分野のスキル格差が広がり続けていることがPMPの価値を高めているという。Project Management Institute(プロジェクトマネジメント協会)は「スキル格差を埋めるには、2030年までに2500万人のPMP資格保持者が必要になる」としている。

 PMP資格保持者の半数以上が、組織の中でリーダー的役割を担っている。

資格4.Amazon Web Services 「AWS Certified Solutions Architect - Professional」

 2022年にトップだった「AWS Certified Solutions Architect - Professional」の認定資格保持者の平均年収は17万4000ドルだ。

 この認定資格は「AWS Certified Solutions Architect Associate」がSkillsoftのトップ給与ランキングに入るようになってから、首位に躍り出た(注4)(注5)。Solutions Architect関連の資格は、需要の高い資格として人気だ(注6)。

 AWS Certified Solutions Architect - Professionalは、複雑なアーキテクチャの考案と実装、インフラの最適化、セキュリティの強化、コスト削減に関する知識をカバーしている。Skillsoftによると、同資格保持者の半数は管理職に就いており、3分の2近くが2022年に試験に合格している。

資格5.ISACA 「Certified Information Security Manager」

 Skillsoftによると、ISACA(情報システムコントロール協会)の「Certified Information Security Manager」(CISM:公認情報セキュリティマネジャー)を持つ労働者の平均年収は16万7396ドルだ。2022年のCISMの平均年収は16万2347ドルで、2番目に給与の高い資格だった。

CISMでは、情報セキュリティガバナンスやリスク管理、インシデント管理の専門知識を学べる。CISMは管理職に人気の資格で、この資格を持つ回答者の3分の2以上が指導的役割を担っている。

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