ITバブル到来か? 年収2000万円以上稼げるスキルを紹介CIO Dive

スキル格差によって、企業は優秀な技術系人材に高額な報酬を支払うようになり、2023年の技術系人材の平均年収は2万ドル(約300万円)上昇した。あるスキルを持っていれば2000万円以上の給与を支払われるケースもあるようだ。

» 2024年01月29日 07時00分 公開
[Lindsey WilkinsonCIO Dive]

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 Skillsoftの「ITスキルと給与」の報告書によると、IT労働者の大半は2022年より2023年の方が収入が高く、平均年収は2022年から2万ドル(約300万円)近く増加している(注1)。同社は5000人以上のIT労働者と意思決定者を対象に調査を実施した。

 IT部門の失業率が歴史的な低水準に近づく中、2023年はスキル格差を前提に、企業は優秀な人材に対して高い給与を支払わなければならなくなっている。IT業界団体のCompTIAが米国労働統計局のデータを調査したところ、2023年11月の失業率は1.7%に低下し、同年1月以来の低水準となった(注2)。

エグゼクティブに次いで高い給与 年収2000万円以上稼げるITスキルとは?

 同報告書によると、米国で最も給与が高いのはクラウドスキルを持つ人材である。クラウドスキルを持つITプロフェッショナルの年収は約16万5000ドル(1ドル=147円換算で約2436万円)で、2023年の平均年収が16万8000ドルだった技術系エグゼクティブに次ぐ給与水準だ。

 また、企業はITアーキテクチャと設計のスキルにも重点を置いており、その平均給与は2022年から12%増の14万2689ドル(約2116万円)だった。

 SkillsoftのCIO(最高情報責任者)のオーラ・デイリー氏は、「熟練した技術者に関しては、需要が供給を上回り続けている。そのため、特にクラウドコンピューティングやITアーキテクチャのように、スキルを持った人材がすでに限られている分野では、給与が上昇し続けることは驚くべき話題ではない」と話す。

 役割別の年間報酬額を見ると、2023年はアプリ開発やプログラミング職の報酬が2022年と比較して最も上昇している。ソフトウェアエンジニアや品質保証テスト、データベース開発者、その他幾つかの職務を含めたアプリ開発者とプログラマーは、前年からの年間報酬の伸びが最も高く、約47%増加した。

 Skillsoftによると、この分野の報酬が急上昇した理由は、回答者の経験レベルの変化によるものだという。2022年はアプリ開発およびプログラミング職の大半は「1年未満の経験しかない」と回答したが、2023年の回答者のうち、同じように回答した人はわずか3%だった。

 また、ITリーダーが高い目標やそのための取り組みを推し進めようとする中、人材戦略は経営陣の最重要課題となっているが(注3)、その多くはAI(人工知能)への関心の高まりと関連している(注4)。

 生成AIに対する企業の熱狂的な期待が、AI実装に向けた技術スタック整備に必要なスキルを持つ労働者を求める原動力となっている(注5)(注6)。例えばアーキテクチャやインフラ、データサイエンスといったスキルだ。

 「現在のAIブームによって、他のIT部門でも給与が上がると予想される。すでにAIエンジニアリングの仕事でこの傾向が見え始めている。熟練した技術者の需要と供給の間にギャップがある限り、このような高い給与の職種の増加は続くだろう」とデイリー氏は語った。

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