NTT Comは、IPv6とm2m-x技術を活用し、拠点単位ではなく端末単位できめ細かく暗号化通信を設定できる「IPv6マルチポリシー接続サービス」を発表した。
NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は6月6日、従来のサービスのように拠点単位ではなく、端末単位できめ細かく暗号化通信を設定できる「IPv6マルチポリシー接続サービス」を発表した。
IPv6マルチポリシー接続サービスは、NTT Comが独自に開発した「m2m-x」技術を活用したもの。m2m-xは、「モノ-to-モノ(m2m)」の安全な通信のために、SIPおよびIPSecをベースに開発された通信マネジメント方式で、PCだけでなく、家電や制御機器といったPC以外の機器どうしの安全なリアルタイム通信を実現する。
IPv6マルチポリシー接続サービスでは、宅内に設置する専用暗号化端末を介して、IPv6のグローバルアドレスを付与された端末やセグメントごとに、個別に暗号化通信を行えるようにする。この際、アクセスラインを複数用意する必要はなく、複数のネットワークにまたがる端末の間でもVPNを構築できる。
また、m2m-xを活用した「ポリシーマネージメントサーバ」を介して、柔軟にVPN設定を変更できる点も特徴だ。
IPv6マルチポリシー接続サービスを用いれば、たとえば物理的に1本の回線で接続されているビルや店舗との間で、POSなどの業務用データは販売管理システムとの間で、映像監視データはモニタリングシステムとの間で、また空調などのファシリティ機器は管理システムとの間で、それぞれ別々にVPNを構築し、個別に暗号化通信を行うといったことが可能になる。それでいながらVPN設定は、NTT Comのネットワーク内に設置されるポリシーマネージメントサーバによって、一元的に行える。
NTT Comでは7月末よりNTTファシリティーズなどへの試験提供を行い、有効性を検討した上で、本格サービスに移行する計画だ。また、6月7日より開催されるInterop Tokyo 2006で同サービスのデモンストレーションを行うという。
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