パケット解析できる人は少ない――DITがベンダー中立型のネット技術者トレーニング

ディアイティ(DIT)は6月29日、米WildPacketsが組んだネットワーク解析技術者向けのトレーニングプログラム「ネットワーク解析技術者養成コース」を発表、9月より開講する。

» 2006年06月29日 14時05分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 ディアイティは、ネットワーク解析技術者向けのトレーニングプログラム「ネットワーク解析技術者養成コース」を9月から実施する。今回開講するトレーニングコースのプログラムは、LANアナライザのメーカーである米WildPacketsが考案した。

「ネットワークのスループットが上がる、効率的な管理ができることは企業とエンジニア双方にとってメリットがある」とザベティヤンCEO

 トレーニングコース設置の背景として、WildPacketsのCEO、マーブッド・ザベティヤン氏は、高いスキルを持ったネットワーク技術者が不足していることを挙げる。

 「1990年代のネットワークエンジニアは、ネットワーク管理のトレーニングをほとんど受けていない。共有プリンタの面倒がみられるというだけで管理者にされることもあった。状況は解消されてきているが、現状でもネットワークの障害などにしっかり対応できる人は限られている。ネットワークをより“スマート”にするにはパケットの解析が行えなければならない」

 WildPacketsのプログラムは、その中立性が特徴。ネットワーク管理のトレーニングを自前で実施するベンダーは多いが、大半は自社製品の利用が前提である。「例えば、シスコシステムズのトレーニングではシスコ製品の扱いやデバッグ方法は習得できるかもしれないが、パケット解析に関する幅広い知識は得られない。知識、技術を徹底するため、ベンダー・ニュートラルなトレーニングにした」(ザベティヤン氏)。

 同社のプログラムには、基礎知識を学ぶWCNE(レベル1)、習得技術を細分化したWCNA(レベル2)、エキスパート向けのWNAX(レベル3)の3つのレベルがある。ディアイティのトレーニングは、この内のWCNEとWCNAのメニューの一部で構成。具体的には、(1)LAN基礎コース、(2)有線LANエキスパートコース、(3)無線LANエキスパートコースの3コースで開始する。(1)はイーサネットの基礎やトラブルシューティングを、(2)はLANのプロトコル解析や通信解析を、(3)は無線LANに関する基礎や解析をそれぞれ習得する。ハンズオンや筆記テストを経たコースの修了者には、認定資格証書が付与される。

 費用は(1)が2日間で5万円、(2)が4日間で20万円、(3)が5日間で25万円となる。当初は、認定を受けたディアイティのスタッフ1名が講師として、同社の研修施設あるいはオンサイトでのトレーニングを行う。今後、第4四半期にはVoIPコース、2007年第1四半期にはフォレンジックコースといったWCNAのメニューが追加される予定。ディアイティでは、研修サービス会社との共催や大学のカリキュラムとしての提供も計画しているという。

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