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» 2006年07月10日 08時00分 UPDATE

ハードウェアソリューション導入計画:テープドライブ編 (1/3)

最近、データのバックアップ手法として、ハードディスクやDVDやMOなどの光/光磁気メディアへのバックアップなどのソリューションが登場している。しかし、今なおバックアップソリューションの主役といえばテープである。今回は、テープドライブの特性をハードディスクと比較しながら、導入に向けて検討したい。

[吉森ゆき/大神企画,ITmedia]

PART 1 今なお主流のテープバックアップ

テープのメリット/デメリット

 ここ数年、さまざまなバックアップソリューションが登場している。特に、ハードディスクの大容量化と低価格化、信頼性の向上によって登場した「ディスクツーディスクバックアップ」は、障害発生時の素早いリカバリを目的としたバックアップソリューションとして注目されている。

 確かに、ハードディスクには利点が多い。オンラインストレージが例外なくハードディスクであることからも分かるように、性能面では他の記憶装置よりもはるかに優れている。記憶メディアとドライブが一体化したメカニカルな構造なので壊れやすいという欠点はあるものの、RAIDにより二重三重の冗長化も構成しやすいので、データの保全性の面でも及第点を与えられる。また、大容量化もどんどん進んでいる。

 しかし、バックアップソリューションとして主流になっているのは、テープである。どうしてテープが利用され続けるのか、ハードディスクと比較したテープのメリットとデメリットを考えてみよう。

性能
 複数のトラックを同時に読み書きできるマルチトラックを採用したテープドライブならば、理論的に数百MB/秒の読み書きも可能だ。バックアップ用途の性能としては、申し分はないだろう。しかし、テープはシーケンシャルなアクセスしかできない。つまり、一度に大量のデータを順次読み書きする場合には優れているものの、差分のみを更新したり、バックアップしたデータの一部をリカバリしたりするような目的には向いていない。

容量
 ハードディスクが大容量化しても、長く広い記録面を持つテープにはかなわない。高密度化については、安定して回転するハードディスクとは異なり、テープの走行はどうしてもぶれがあるため難しい課題だったが、最近では光ディスクのようにレーザー光を使用したトラックサーボ技術が開発され、テープも高密度化を実現している。

価格
 ドライブ自体の価格はハードディスクよりも高い。また、テープメディアのコストもかかる。ただし、容量を拡張する際には、テープドライブのメリットが活かされる。ハードディスクではメディアだけを増設できないのに対し、テープはカートリッジを購入すれば無限に容量を増やすことができる。

耐久性
 メディアの耐久性の面では、一長一短がある。ハードディスクではディスクとヘッドが非接触であり、ディスクが磨耗するようなことはない。しかし、前述したように高速回転するディスクはショックに弱く壊れやすい。一方テープは、磁気面とヘッドが接触するため、どうしても磨耗する。毎日読み書きするテープの場合、1年程度で寿命が尽きてしまう。ただし、カートリッジに保護された構造は保存性に優れている。

 こうしたメリット/デメリットから、ストレージのデータをバッチでフルバックアップする場合はテープ、障害発生時のデータリカバリを目的としたバックアップにはハードディスクが向いている。バックアップの目的に応じて使い分け、テープの強みを生かしてほしい。

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