SNSを取り込むMSの新生ブログ、大幅ユーザー増の可能性は?(1/2 ページ)

Windows Liveブランドで新たにリリースされたブログサービスSpacesに、米国で人気のMySpaceのようなソーシャルネットワークサイトの機能が加わった。ユーザーからの支持を獲得して、Windows Liveの他サービスへのトラフィックを拡大できるか?

» 2006年08月15日 07時00分 公開
[Matt Rosoff,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 MicrosoftのブログサービスSpaces(旧MSN Spaces)がWindows Liveブランドで新たにリリースされた。このWindows Live Spacesからは、サービス間の連携によってWindows Liveへのトラフィックを増加させ、同ネットワーク内でのユーザーの滞在時間の拡大を図る上で、Microsoftが取ろうとしている戦術を伺うことができる。

 最も特徴的なのは、ユーザーがWindows Live MessengerおよびWindows Live Mailの連絡先メンバー、そしてそのメンバーの友人とソーシャルネットワークを構築できる機能だ。Microsoftはこの新機能の導入で、MySpaceに代表されるソーシャルネットワークサイトの市場に殴り込みをかけることになる。

 ただし、今回のリリースでは、パフォーマンスの悪さや不適切なページの表示など、克服しなければならない技術的な問題に見舞われているため、まずはWindows Liveに対するユーザーからの信頼を獲得する必要があるだろう。

ソーシャルネットワークで狙うトラフィック拡大

 リリースから2年も経たないうちに、MSN SpacesはWeb上で最も人気のあるブログサービスの地位を確立した。2006年4月に発表されたComScoreのレポートによると、現在Spacesは毎月1億以上のユニークビジターを誇っているという。これは、1年前の2倍以上のトラフィックだ。この急激な成長を支えているのは、SpacesとMicrosoftのインスタントメッセージングサービスのMSN Messenger(現在はWindows Live Messenger)との連携である。

 同Messengerサービスは、世界最大のインスタントメッセージングサービスで、2億400万人が利用している(ComScore調べ)。Windows Live(MSN)Messengerでは、ユーザーのメンバーリストに登録されているメンバーがSpaces上でページを作成または更新すると、そのメンバーの表示名の横に黄色い星印が表示され、この星印をクリックすると、そのメンバーのSpacesのホームページが表示される。Microsoftによると、現在でもSpacesのトラフィックの50%は、Messengerからのものであるという。

 Microsoftは2006年8月にWindows Liveブランドの下でSpacesを新たにリリースする際に、この連携戦略を拡大した。具体的には、「友人の探索(Friends Explorer)」と呼ばれるSpacesの新機能の導入である。同機能を使用すると、ユーザーがWindows Live MailまたはWindows Live MessengerのメンバーをSpaces上での“友人”(メンバー)になるよう招待できる。友人となると、その友人の情報がユーザーのスペース上に表示され、このスペースにアクセスした他のユーザーがその友人に連絡を取ることができる(アクセス許可システムにより、プライバシーは保護される)。

Friends Explorerの画面

 さらにポイントとなるのは、Spacesのユーザーが友人の探索機能を使って、“友人の友人”のプロフィールを参照でき、彼らと連絡を取れることだ。いずれ、この友人の探索機能は、Windows Liveのその他のサービス、特にMailやMessengerなどにも拡張される予定である。

       1|2 次のページへ

Copyright(C) 2007, Redmond Communications Inc. and Mediaselect Inc. All right reserved. No part of this magazine may be reproduced, stored in a retrieval system, or transmitted in any form or by any means without prior written permission. ISSN 1077-4394. Redmond Communications Inc. is an independent publisher and is in no way affiliated with or endorsed by Microsoft Corporation. Directions on Microsoft reviews and analyzes industry news based on information obtained from sources generally available to the public and from industry contacts. While we consider these sources to be reliable, we cannot guarantee their accuracy. Readers assume full responsibility for any use made of the information contained herein. Throughout this magazine, trademark names are used. Rather than place a trademark symbol at every occurrence, we hereby state that we are using the names only in an editorial fashion with no intention of infringement of the trademark.

注目のテーマ