OneNoteがOfficeの新しい顔に、使い勝手は自然なノート取りへ(1/4 ページ)

MicrosoftのデジタルノートアプリケーションOneNoteの新版OneNote 2007は、Office 2007スイートの幾つかのエディションに搭載されることになり、大規模なユーザーベース獲得に向けた準備が整った。前身のOneNote 2003からさまざまな機能強化が施され、大きく進化を遂げている。

» 2006年09月01日 07時00分 公開
[Matt Rosoff,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 MicrosoftのデジタルノートアプリケーションOneNoteは、幾つかのOffice 2007スイート製品に搭載されることになり、大規模なユーザーベース獲得に向けて体制が整った。OneNoteは、例えば入力したメモの保存が不要であるなど紙とペンでノートを取るような自然さと、検索やインポート/エクスポート機能、入力方法の多様さなどソフトウェアの持つメリットの両方を備えている。

 新版のOneNote 2007では、既存機能の強化のほか、コラボレーションやグループ開発向けの新機能を導入しているが、やはりTablet PCを始めとするポータブルPCでの使用が最適である。

紙のノートの使い勝手とソフトウェアのメリットを融合

 OneNoteは2003年後半に、Office 2003 Systemのスタンドアロンデスクトップアプリケーションの1つとして登場した。同製品を使用すると、キーボードから入力したテキスト、“デジタルインク”による手書き文字または図(Tablet PC上)、音声、動画など種類の異なるデータを入力でき、これらのデータを仮想的なノートにまとめることができる。

 さまざまなデータをOneNoteに集め、その後収集したデータを他のOfficeアプリケーションに移動して編集や共有、プレゼンテーションを作成するといった使い方が想定されている。OneNoteはどのようなPCでも使用できるが、ラップトップ上で使用するのが最も便利だ。特に学生やノートを取ることが仕事上必要なユーザーにとっては、利用価値が高いだろう。

 ワープロアプリケーションと異なり、OneNoteは自然なデータ入力が可能だ。Windowsファイルシステムは、OneNoteインタフェースの背後に隠され、ファイルを作成したり、以前の作業を再開する場合に特定のファイル名を覚えている必要はなく、入力したデータは自動的に保存される。

 また、紙のノートと異なり、OneNoteではソフトウェアならではの便利な機能を利用できる。例えば、他のアプリケーションからのデータのインポートまたはエクスポートやキーワード検索が可能であるほか、切り取り、貼り付け、ドラッグアンドドロップなどのデータ操作機能を使ってより柔軟にデータを整理できる。

 2005年にリリースされたOneNote 2003 SP1では、ノートブックセクションでのリアルタイムの共同作業や、Windows SharePoint Services(WSS)チームサイトへのエクスポート、Outlookの会議機能との統合、動画のサポートなどの機能強化が施されている。

OneNote 2007での改良点

 OneNote 2007は、2007 Microsoft Office systemのアプリケーションの1つとして2006年後半にリリースが予定されている。表など新しい種類のデータ入力のサポート、他のOfficeアプリケーションとの統合の強化、OneNoteのデータの入出力の簡素化など、機能強化が進められている。また、より効果的にデータを整理したり取得する上で役立つ機能や、コラボレーションやプログラマビリティの面からも機能強化が行われている。

他プログラムの連携を強化

 OneNote 2007では、次のようなデータの入力およびエクスポート機能が新たに追加される。

  • 簡単なテーブルのインポートと作成
  • PCからのOneNote Mobile(Windows Mobile搭載デバイス用のバンドル版)へのノートの転送。これまでは、MobileからPCへの転送しかサポートされていなかった。
  • Outlookの仕事アイテムと、ノートフラグを付けたOneNoteアイテムとの統合の強化
  • Outlook、Outlook Express、Lotus Notesメールなど、あらゆるMAPI対応電子メールプログラムへのエクスポート。以前のバージョンでは、Outlook 2003へのエクスポートしかできなかった。
  • OneNoteノートブックへのWord文書の埋め込み。OneNoteノートブック上ではアイコンとして表示され、このアイコンをクリックするとWordが開きデータを編集できる。
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