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» 2006年09月28日 07時00分 公開

このスペックなら勝てる? Zuneが挑むiPodの独占市場 (1/4)

何カ月もうわさの的となっていた、Zuneデバイスの最初の製品に関する詳細が正式に発表された。最初のZuneデバイスはかなりシンプルな携帯音楽プレーヤーとなり、デバイス間での楽曲の無線転送などユニークな機能も提供する。

[Matt Rosoff,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

Microsoftを動かしたAppleの脅威

 Microsoftが携帯音楽プレーヤーとそれに対応するオンラインストアを手掛けることを決断し、これらをWindows Mediaパートナーのビジネスと位置づけてきた長年の方針から転換したのは、AppleのiPodとiTunes Music Storeの目覚ましい成功に刺激されたことが一因だ。

 iPodはデジタル音楽プレーヤー市場で一貫して75%程度のシェアを保っている。iTunes Music Storeは累計ダウンロード曲数が15億曲以上に上り、合法的な音楽ダウンロード市場で80%を超すシェアを占め、Appleの地位をさらに強固なものにしている。同ストアで購入されたコンテンツは、iPod以外の携帯デバイスでは再生できないからだ。

 Microsoftがこのまま手をこまねいていれば、Appleの圧倒的な優勢が続き、Microsoftのホームエンターテインメント戦略全体を脅かす恐れがある。この戦略は、Windows PCやMicrosoftのソフトウェアが稼働するそのほかのデバイスを、オーディオ/ビデオコンテンツの作成、保存、編集、再生に最適なツールとして推進するものだ。

 だが、Microsoftのエンターテインメント部門の副社長Bryan Lee氏によると、Microsoftが新市場に参入する理由は、Appleの独り勝ちへの懸念だけではない。MicrosoftはZuneに重要なビジネスチャンスを見い出している。例えば、2005年9月24日までの1年間(AppleがiPodの売り上げを報告した直近の期間)にAppleは2250万台のiPodを販売し、45.4億ドルの売り上げを得た。Microsoftは携帯プレーヤー市場が2006年の約5000万台規模から、いずれは年間数億台規模へと拡大すると見ている。

 Zuneがこの市場でかなりのシェアを獲得すれば、Microsoftのエンターテインメント&デバイス部門の売上高と利益に大きく貢献する可能性がある。同部門は2001年以来、40億ドル以上の損失を出しており、その主因はXbox事業だ(Microsoftはハードウェアを赤字で販売し、ゲーム販売で利益を上げている)。

 また、Zuneは将来的に、MicrosoftがWindows PCをホームエンターテインメントデバイスとして、ほかの製品と組み合わせて販売促進するための役に立つ可能性もある。例えば、Zuneの将来のモデルは、PCやXbox 360とコンテンツを無線で同期できるようになるかもしれない。また、MicrosoftがWindows MobileフォンのZuneクライアントを開発することもありうる。ただし、こうした連携シナリオを実現するには、そのコンポーネント、つまりソフトウェアだけでなくサービスやハードウェアについても、コントロールを強めなければならないとMicrosoftは考えている。

音楽市場への慎重なアプローチ

 Microsoftの2006年9月の発表により、Zuneの機能の詳細が明らかになり、広まっていたうわさの一部に終止符が打たれた。例えば、AppleのiTunes Storeで購入された楽曲は、Zuneでは再生できないが、Microsoftはそうした楽曲について、Zune用への無償交換は行わないことが分かった。だが、同デバイスの正確なモデルの画像など、何カ月にもわたって情報が漏れていたことで、この発表のインパクトは薄まった。また、価格やリリース日といった重要な詳細は、この発表では明らかにされなかった。

 Zuneを市場に定着させるため、Microsoftは慎重なアプローチを取っている。Microsoftは、ユーザーに分かりにくいような機能を満載したものではなく、スタイリッシュでユーザーフレンドリーな携帯音楽プレーヤー、クライアントソフトウェア、オンラインストアを作ろうとしている。また、Zuneには、デバイス間での無線転送など幾つかのユニークな機能も搭載される。内蔵のデータトランシーバにより、Zuneデバイスは将来、ほかの用途にも利用できるようになる可能性がある。

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