ヤフー、グーグルらの技術はケータイで通用しない!?ケータイルネサンスは起こるか 第4回(1/2 ページ)

ヤフーやグーグルといったPCインターネットの世界の検索サイトの雄がケータイ進出に力を入れている。だが、ケータイの世界ではそれに見合った検索技術が求められると考えられている。とすると…PCの世界での巨人は、ケータイの世界でも同じポジションにいられるとは限らないかもしれない……。

» 2006年09月29日 08時00分 公開
[アイティセレクト編集部]

PCでの技術はケータイに通用しない!?

 PCインターネットの世界の検索サイトはケータイの世界で有効に働くのだろうか。ケータイの画面の大きさは一目瞭然、PCのそれとは比較にならない。加えて、PCインターネットでのサイト閲覧はマウスによるスクロールで簡単にできるが、ケータイのそれは多分に面倒だといっていい。つまり、ケータイで検索機能を使って検索結果がたくさん出たところで、現実的にはほとんど無駄になるのではないかと考えられるのだ。

 ただ、それはたとえPCインターネットであっても同じかもしれない。検索エンジンを使い、検索結果が何ページにもわたったとき、果たしてどれほどの人が2ページ目、3ページ目に目を通すのかを考えると、決して数多く結果がリストアップされることがいいとはいえないからだ。検索エンジンの利用が一般化した今では、利用者も慣れているが故に、大抵の検索では1ページ目で目的のサイトを探し出すことができているといっていい。従って、情報が氾らんしているという昨今では、探している情報が、数ではなく、ピンポイントの結果として表示されることが求められる。そのニーズに応えられなければ、検索サイトの効能は発揮されないのである。

 そのため、ケータイでの検索の精度は、画面が小さいだけにより高くなければならないことになる。さもなければ、使い勝手の悪さばかりが露呈し、ユーザー離れを引き起こすことになる。そう考えると、PCインターネットの世界の検索技術が、そのままケータイで通用するとは限らないかもしれない。

 「ケータイの世界で、(グーグルなど)米国で開発されたPC(インターネット)の検索ロジックがそのまま適用できるかどうか。ケータイにおける検索というのは、PC(インターネット)における検索とは用途が違うのかもしれない」(大手ポータルのモバイル担当者M氏)

探している情報を正確に表示する――ケータイでの検索には、ユーザーはかなりの高精度を要求するだろう。

検索機能でケータイの世界で勝負するには

 NTTレゾナントのポータル事業本部メディア事業部ケータイ担当部長である森内一成氏は、ケータイでの検索事業のミッションは「ユーザーに対し、『探す』ということをきちんと再定義し、それに合うようにサービスをブラッシュアップすること」と語る。「検索自体の定義をつくっていきながらサービスを提供するのが、この仕事の面白いところ」なのだそうだ。

備考

*1 本稿では、キャリアは携帯電話事業者を指す。現時点ではNTTドコモ、KDDI(au)、ボーダフォン(10月1日からソフトバンクモバイル)の3社になる。PHSのウィルコムは含んでいない。

*2 本稿における「携帯電話」「ケータイ」の使い分けについては、文脈や発言内容などに応じて変えている。例えば、「携帯電話事業(者)」としたり改まった発言である場合は漢字表記にした。基本的には、「携帯電話」という端末そのもの、手段、事業、分野などすべてにわたってカタカナ表記とした。

*3 本稿では、NTTドコモの「iモード」、KDDI(au)の「EZWeb」、ボーダフォンの「Vodafone live!」については「(ケータイの)インターネット」、パソコンなどで楽しむ、一般のインターネットを「PCインターネット」と称した。

*4 本稿中の数値・事象などは、例外を除き、すべて8月16日時点のもの。


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