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» 2006年11月09日 08時00分 公開

無線LAN“再構築”プラン:電話と無線LANの相性は本当にいいのか? (1/3)

IPネットワークによる企業内線網の構築事例はもはや珍しくない。音声のインフラとして無線LANを活用する動きも活発化しているが、有線LANと同じ品質の通話を期待していいのだろうか。

[寺下義文,ITmedia]

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寺下義文(日立コミュニケーションテクノロジー)



 インターネットの商用化が進むに伴い、オフィス内におけるIPネットワークの敷設はあたり前のものとなった。また、イーサネットによるIPネットワークがオフィスに行き渡ると、今度は既設の電話配線さえ邪魔な存在へと変わっていく。Voice over IP(VoIP)を合言葉にレガシーPBX(アナログ電話回線)のIP電話化が推進され、この1、2年のうちにおおむねIP化を終えるとさえいわれている。

 そして今、オフィスにおけるIP網も、電気配線を不要とするPower of Ethernet(PoE)か、配線工事自体を必要としない無線LAN(Wireless LAN、以下WLANと略す)のいずれかに変わりつつある状況だ。

 さらに、これまでコンシューマのみをターゲットにしていた携帯電話のキャリア各社も、続々とWLAN対応機の提供を表明。NTTドコモの「PASSAGE DUPLE」、KDDI(au)の「OFFICE FREEDOM」といったモバイルセントレックスの内線電話機と兼用できる携帯電話端末も提供されるようになった。

 こうした中で、内線電話だけがかたくなに有線のままであり続けるわけもなく、合言葉もVoIPから「Voice over WLAN」(VoWLAN)へと変わらざるを得ない状況となった。しかしながら、電話の無線化は、思いのほか難しい。データ系を無線化した時と同様の考え方でシステム設計/構築を進めてしまうと、必ず失敗することになるだろう。

無線LANとVoIPの相性は?

 まず、読者諸氏に1つ質問をしたい。それは「無線LANとVoIPとの相性はいいのか?」という問いである。

 こんな質問をすると、「何を今さら……」と思うかもしれない。確かに、最近は携帯電話キャリア各社からも続々とWLAN対応端末がリリースされており、そうした状況では「悪いはずがない」と誰もが思うだろう。特にIEEE 802.11b(11Mbps)からIEEE 802.11g(最高54Mbps)に主流が移りつつある中、100Mbpsの有線LANとの相性と比べても今や大差ないと思っている人も多いようだ。

 事実、先日無線IP電話機を売り込みにきたあるメーカー担当者が「この速度になるとLANとほとんど変わりません。QoSなんかも要りませんよ!」と言うくらいである。一般のユーザーならまだしも、プロ中のプロがこのような認識でしかない。

 今回のテーマは、WLAN上にVoIPを展開する上でいかに品質を確保するかであるが、その前になぜそれが難しいのかをご理解いただきたい。

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