Vistaで加わる“ミニアプリ”の魅力Windows Liveが魅せる次世代マッシュアップ(1/2 ページ)

デスクトップを彩るVistaガジェットの魅力は、そのビジュアル重視さと開発が容易な環境整備にあるという。現役ゲームプログラマの橋本直之氏に聞いた。

» 2006年11月21日 09時44分 公開
[三浦優子,ITmedia]

 マイクロソフトは、Windows Vistaガジェット(サイドバーガジェット、スライドショウガジェット)、Windows Liveガジェットを新たなプラットフォームの1つとして、利用環境を整えるとともに、開発者へとアピールしている。

 この展開に対し、開発者はどのように受け取っているのだろうか?

 橋本直之氏はゲームソフト会社に勤務しながら、神奈川工科大学の非常勤講師を務める忙しい身。それでありながら、すでに16個のVistaガジェット(サイドバーガジェット)を開発した。これだけのガジェットを作った理由を同氏は、「楽しかったから」と説明する。

 プロの開発者がガジェット作りに見い出した楽しさとはどのようなものだったのか。探っていこう。

「単純に楽しい」ものだからと評価

 「ガジェット作り?単純に楽しいんですよ」──すでに16個のガジェットを作り出した橋本氏は、ゲームソフトウェア会社勤務の現役プログラマだ。神奈川工科大学では情報学部情報メディア学科の非常勤講師も勤める。いわゆるプロのソフトウェア開発者だ。

 橋本氏にとっても、ガジェット作りは楽しいものだったという。

 「作っていて楽しいと感じたのは、やりたいことが簡単にできるからだと思います。おそらく、Webサイトを構築している人であれば、簡単にガジェット作りができるはずです」。

 橋本氏がガジェット作りに取り組んだきっかけは、マイクロソフトが開催している「Windows Vistaソフトウェアコンテスト 〜ガジェット&Windows Presentation Foundation〜」に応募するためだった。

 このコンテストは、より多くの開発者に、Windows Vistaの新機能であるガジェット、およびWindows Presentation Foundationに対応したソフトウェアを開発してもらうために、開催したもの。応募するために手がけたガジェット作りは、プロの開発者にとっても魅力的なものだった。

 「実は、私自身はJavaスクリプトをいじったことはそう多くないのです。しかし、ガジェットのサンプルを見たら、これだったら敷居も低くできるのではないかと思い、ガジェット作りを始めました。取り組んでみたら実に簡単であり……、なんで、みんなガジェット作りを始めないんだ? 不思議な気持ちになったくらいです(笑)」。

 同氏が16個のガジェットを製作するのに要した時間は、30時間程度だという。それだけ短時間の間に16個ものガジェットを作り上げてしまったと聞くと多くの人は驚くが、「非常に生産性高く開発が可能な仕組みになっている証しです」と橋本氏は強調する。

 また、グラフィックについては新たに作ったものというよりも、使い回して利用しているものが多く、「グラフィック作りにはあまり時間をかけていないこともあり、これが短期間に開発ができたという側面もあります」という。

 そうとはいえ、実際に作られたガジェットを見ると、とて短期間で作り上げられたものとは思えない完成度だ。

AJAXの流行がガジェット登場の背景のひとつでは

 橋本さんはガジェットが出てきた背景として、「ここ2、3年、AJAXが流行していることも影響しているのではないか」と指摘する。

 AJAXの登場で、オンラインサービスにおいてもローカルアプリケーション並の使いやすさを実現するものが出てきた。

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