目指すは「協調型セキュリティ」、NECがInfoCageを軸にパートナー制度

NECは2007年1月より、セキュリティ製品「InfoCageシリーズ」に、パートナー各社の製品を組み合わせてシステム全体のセキュリティ強化を図る「InfoCage Works」を開始する。

» 2006年11月28日 23時22分 公開
[ITmedia]

 NECは11月28日、同社のセキュリティ製品「InfoCageシリーズ」に、パートナー各社の製品を組み合わせてシステム全体のセキュリティ強化を図る新しいプログラム「InfoCage Works」を発表した。トレンドマイクロやコクヨS&T、クリアスウィフトなど約10社が参加を表明しており、2007年1月末に正式に発足する予定だ。

 NECでは、クライアントPCでの暗号化や認証、ファイルの暗号化、データの持ち出し制御といった機能を提供するセキュリティ製品として、InfoCageシリーズを提供してきた。InfoCage Worksでは、これにパートナー各社の製品を連動させることにより、電子データだけでなくネットワークやオフィス内の紙文書までを管理し、PCやサーバなどのセキュリティ機能を連携することで、高い予防機能と被害の局所化を実現する「協調型セキュリティ」の実現を目指す。

 具体的には、コクヨS&Tの文書管理システム「Relational Filing System」を組み合わせ、紙文書と電子文書にまたがるセキュリティ管理を実現したり、クリアスウィフトの「MIMEsweeper for SMTP」と連動し、InfoCageで暗号化されていない電子メールを送信させないようコントロールするといった仕組みが考えられるという。

 NECではこの制度を、相互動作検証製品の提供、製品間連携の実現、共同開発の実現という3つのフェーズに分けて進めていく。特にフェーズ3では、製品のAPIを公開開示などを通じて開発レベルで深く連携を行う計画だ。ウイルス感染などのセキュリティインシデントが発生した際に、パートナー製品からInfoCageに警告を発し、それに基づきダイナミックにポリシーや設定を変更して被害を局所化する、といった連携が考えられている。

 同社はInfoCage Worksも含めた協調型セキュリティの関連ビジネスで、2009年度までに600億円の売り上げを見込む。

 なおNECは同時に、InfoCageの新製品3種類も発表している。PCの総合的な情報漏洩対策を実現する「PCセキュリティ」、エージェントレスの検疫システム「PC検疫システム」、ID/アクセス管理の一元化を実現する「SECUREMASTER」で、同日より順次出荷を開始する。

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