オンライン取引が広がるもネット犯罪の認識は不十分――シマンテック調査

シマンテックによれば、8割近いインターネットユーザーがオンライン決済を経験したものの、ネット犯罪の正しい認識は不十分であるという。

» 2006年11月29日 21時42分 公開
[ITmedia]

 シマンテックは11月29日、オンライン詐欺に関する実態調査の結果を公開した。オンラインの取引や決済が拡大するユーザーの利用実態が浮き彫りになった。

 この調査は、インターネット利用歴が3年以上で、15歳以上のユーザー1000人を対象に、同社がインフォプラントに委託して9月末に実施したもの。今回が3回目の調査となる。

大岩憲三氏 大岩憲三氏

 「インターネットユーザーの8割以上がオンラインでの取引や決済を経験し、この個人情報を狙った犯罪手口が巧妙化しつつある」――執行役員の大岩憲三氏(コンシューマ営業統括本部 本部長)は、発表の席でこのように述べた。

 まず、インターネットの利用内容を見ると、「Web閲覧」が97.0%、「オンラインショッピング」などが84.8%、「バンキング、株取引」などが63.7%、「オークション」が50.8%。半数以上のユーザーがオンラインで何らか取引を行っている。

決済方法 決済方法の内訳

 決済方法は、「オンラインでのクレジットカード」が68.6%、「コンビ二支払い」が45.2%、「代金引替」が41.2%、「オンラインバンキング」が40.7%。ユーザーの79.7%は、クレジットカードもしくはバンキングのいずれかで、オンライン決済を行ったことがあるという。

 オンラインの不正行為にどのようなものがあるのかを知っているかどうかという認識率は、「架空請求」が82.0%、「ワンクリック詐欺」が72.8%、「オークション詐欺」が71.4%、「フィッシング詐欺」が61.8%、「スパイウェア」が56.9%。ワンクリック詐欺は、

今回の調査から選択肢に加わったが、認識率が2番目に高い結果となった。また、多くの選択肢で認識率が前回調査より減少したものの、スパイウェアの認識率は2.9%上昇した。

スパイウェアとは スパイウェアの働きを誤って認識する人が少なくない。

 スパイウェアの働きについての理解は、半数以上のユーザーが「パスワードや個人情報を収集し、第三者に送信する」と正しく理解している。しかし22.8%は、「ファイルの破壊」と回答。ウイルスの行為と誤認識するなど、スパイウェアの実態理解が十分でないことも判明した。

 詐欺目的のメールを受信したり、サイトにアクセスした経験という回答者は、前回調査よりやや減少した。詐欺行為の防御手段について、「ウイルス対策ソフトなどの機能を利用」が74.2%、「心当たりのないメールに反応しない」が73.0%、「スパイウェア対策ソフトを利用」が59.7%。対策ソフトウェア製品の利用が前回調査よりも微増している。

 この結果について、コンシューマ製品担当の風間彩氏(シニア リージョナル プロダクト マーケティング マネージャー)は、「オンラインサービスの内容を詳しく知り、セキュアなサイトの利用を心がけてほしい。取引を記録として残すことや、オンラインサービス初心者であれば、事前に信頼できる資料から安全なサイトであることを確認した上でアクセスする、といった防衛策が大切」と述べた。

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