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» 2006年11月30日 12時58分 UPDATE

多くのNPOがITエンジニアの助けを待っている! (1/2)

日本には多くのNPO(民間非営利組織)が活動している。そのNPOが今、IT化の可能性を強く求めているという。その力になれる可能性を持つ人々、それがITエンジニアである。

[三浦優子,ITmedia]

 11月5日、東京・秋葉原の秋葉原コンベンションホールにおいて、「Microsoft Community Ring Day」というイベントが開催された。Windowsプラットフォーム技術者のコミュニティー活動を支援するマイクロソフトの取り組み“Microsoft Community Ring”とはどんなものなのか。その具体的な活動内容を紹介するこのイベントにおいて、来場者の関心を集めたのが、「コミュニティー運営についてNPOに学ぼう」という分科会だった。

 この分科会の講師を務めた、市民活動を支える制度をつくる会(略称=シーズ)の事務局長である松原明氏は次のように話す。「実は多くのNPO団体が、ITを活用して活動基盤を強化したいと考えている。ところが、ITに関する知識や技術が足りない団体が圧倒的に多い。そこで、このイベントの中で、『NPOを技術的に支援してくれないか?』と問い掛けてみたところ、出席者の三分の二以上の人から、『興味がある』という答えをもらった。実際にNPOを支援する活動をしているあるエンジニアは、『自分の日常の仕事はパーツであってそれがどう人の役に立っているのかが分からない。しかし、NPOを支援する活動は自分のやった成果がすぐに分かる。自分のやったことが社会の役に立っていることを実感できる』と話していた。NPOを支援することが、社会との接点となると捉えてもらえたようだ」(松原氏)

MSNPO01.jpg シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 事務局長 松原明氏

 ITエンジニアだからこそできる、NPOを支援する活動とはどういったものなのか。

IT活用が進んでいない組織も多数

 NPOは「Nonprofit Organization」の略であり「民間非営利組織」と訳される。1998年にNPO法が施行され、現在では日本全国に2万8000のNPO法人がある。シーズは1994年に設立し、日本にNPO法を施行するための支援を行うなど、NPOを支える活動を行っている。日本のNPOの活動を活発化していくために、活動しているのがシーズである。

 そのシーズの事務局長である松原氏の目から見て、「IT活用によって、NPOの活動の質は大幅に向上するはず。しかし、うまくITを活用しているNPO法人はごく一部にしか過ぎないのが実情」だという。ITを活用することで、NPO活動はどのようなプラスがあるのだろうか。

 「NPO法人として活動は始めたものの、運営を続けていくことや、成果がきちんと出ない団体もたくさんある。特に財政面が厳しい。その原因として、寄付をしていただけるいろいろな財団ときちんと連携していかなければならないのに、コミュニケーションインフラが整っていない。寄付をしていただいた方をデータベース化していないので、次の機会に活用していくこともできない。いわば、基本的な部分のIT化ができていないところも結構多い」(松原氏)

 もちろん、ITをフル活用しているNPO法人もある。日本でボランティアの威力が一般的に大きく認識されたのは阪神大震災の支援活動だった。インターネットが普及していなかった当時、パソコン通信のBBS(電子掲示板)が安否状況の確認、ボランティアを必要とする地域からの支援要請などに活用されたのを記憶している人も多いだろう。

 NPOに所属するメンバーは、日常的には別な仕事を持っているケースも多いので、インターネットが普及した現在ではメーリングリストやWebを使ったコミュニケーションで、活動がスムーズに進んでいるケースもある。すべてのNPO法人がITを活用していないというよりは、IT活用度合いに大きなバラツキがあるのが実情のようだ。

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