「離脱という方向しか考えられなかった」――MEXが日本SGIと提携

メディアエクスチェンジ(MEX)は日本SGIと、コンテンツ配信を中心とした業務提携を結ぶ。同時にライブドアからの株式譲渡による資本提携も。

» 2006年12月20日 21時21分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 メディアエクスチェンジ(MEX)は12月20日、日本SGIとコンテンツ配信を中心とした業務提携を結んだ。同時に、ライブドアが所有していた株式の一部を日本SGIに売却する形で資本提携を結んだことも明らかにした。2007年1月31日に株式譲渡が成立すれば、日本SGIはMEXの株式の約31.56%を保有し、同社の筆頭株主となる。

 MEXの代表取締役社長、吉村伸氏は今回の提携について、業務提携も主眼ではあるが、ライブドアグループからの離脱が大きな目的だと述べた。

 「(ライブドア社長の)平松氏に対し、現実的な提案をしていただきたいと要望してきたが、その部分がなかった。このため、離脱という方向しか考えられなかった」(吉村氏)。そもそものライブドアとの提携の理由は、ライブドア側から積極的な設備投資計画を示されたことにあったというが、そこでうたわれていた内容は「一切行われないまま」(同氏)だったという。

MEXの代表取締役社長、吉村伸氏

 計算上は、日本SGIへの株式譲渡後も20%がライブドアの手元に残ることになるが、「引き続き他社へ譲渡すべく、継続して働きかけていく」(吉村氏)とし、ライブドアとの提携関係の解消に向かう。

 一方、日本SGIの代表取締役社長兼CEOの和泉法夫氏は、今回の提携は業務提携がメインとコメント。日本SGIは今後、MEXの販売代理店契約を結ぶほか、商品/技術開発などで協力していく。

 具体的には、これまで提供してきたコンテンツ制作/保存/配信ソリューションの「SiliconLIVE!」に、MEXの持つインターネットデータセンター(iDC)/インターネットエクスチェンジサービス(IX)を組み合わせることで、同社が提唱する「コンテンツが主役の時代」に向けたワンストップソリューションを提供していきたいとした。

 「MEXの持つ高速なバックボーンやネットワーク技術力により、われわれにとってもシナジーが生まれる」(和泉氏)とし、映像をはじめとするコンテンツを、IPネットワークを介して、高品質かつ安定した形で配信できる環境を提供したいと述べた。また、国境を越えたコンテンツ活用の例としてYouTubeを挙げ、日本国内にとどまらず、グローバルな展開も視野に入れているとも述べた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ