ライブドアは2月22日、同社の熊谷史人前代表取締役と堀江貴文前社長らが証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕されたことを受けて会見を開いた。
同社の平松庚三社長は「株主や関係者にお詫びしたい」と陳謝。「前経営陣は株価至上主義に走りすぎ、社会的責任を感じる意識が足りなかった」とし、コンプライアンス強化に努めていきたいと話した。
新たに代表取締役に就任した山崎徳之氏は、現在海外にいるとして会見を欠席した(関連記事参照)。
熊谷前代表取締役の逮捕は「残念だが予測していた」という。事件への関与の疑いは当初からあったため、代表取締役に選任したこと自体が間違いだったという指摘もある。これについて平松社長は「当時は(常勤取締役が1人になってしまったため)他に選択肢がなかった」と説明した。
熊谷前代表取締役は現在も取締役にはとどまっているが、辞任した場合同社の取締役は2人となり、欠員が生じる。落合紀貴副社長は「取締役が足りなくなる事態も想定し、弁護士と相談していた」と話し、新取締役を選任する株主総会を「6月ごろまでをめどに開きたい」とした。
旧経営陣への責任追及について平松社長は「司法の判定が出ていないためコメントは控えたい」としたが、違法行為が明らかになれば厳粛な態度で臨むとした。今後、さらに逮捕者が出る可能性を問われると「無いと願っている」と話した。
経営への影響について平松社長は「社内には数多くの優秀な人材がいる。彼らの力を合わせれば支障はない」と語った。資金繰りについても「かなり潤沢で、近々に経営が悪化する懸念はない」とした。同社を支援する可能性が報じられているフジテレビジョンとは「親密にコミュニケーションを図っている」とし、良好な関係をアピールした。
同社本体の売却は考えていないという。傘下のメディアエクスチェンジ(MEX)とは「提携を解消する気持ちはない」としながらも、一部株式を売却するなどして持ち株比率を低下させることは検討するとした。マンションデベロッパーのダイナシティ、中古車販売のライブドアオートとは提携の見直しで合意している。
社内にコンプライアンス強化委員会を設置したほか、同社を法律・財政面で調査する調査委員会の設置に動いているといい、管理体制を強化して信頼回復に努めるとしている。
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