FreeNASで家庭内LANにストレージを簡単に追加するLeverage OSS(1/2 ページ)

FreeNASは企業での利用に実力を発揮するだけでなく、普通のSOHOユーザーでも十分に活用できる使いやすさも備えている。ここでは、rsyncによるバックアップ用およびFTPサーバとして簡単に使えるNASデバイスを、個人用のLANに追加する方法を紹介する。

» 2007年01月26日 08時00分 公開
[Joe-Barr,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 FreeNASはネットワーク接続ストレージ(NAS)サーバとして十分な機能を備えた、FreeBSDベースのコンパクトかつ強力なオペレーティングシステムである(偶然だが、SourceForge.netでも今月の注目プロジェクトとして取り上げられている)。わたしのようなLinuxユーザーは各デバイスを表すのに使われるBSD用語に戸惑うかもしれないが、そうした些細な点にさえ気をつければ何の問題もなくインストールして使えるはずだ。FreeNASは企業での利用に実力を発揮するだけでなく、普通のSOHOユーザーでも十分に活用できる使いやすさも備えている。ここでは、rsyncによるバックアップ用およびFTPサーバとして簡単に使えるNASデバイスを、個人用のLANに追加する方法を紹介する。

 まずは、NAS専用機として使えるマシンが必要になる。古くなったPCがちょうどよいだろう。本当に必要になるのは、イーサネット接続(有線でも無線でもよい)とハードディスクドライブくらいだ。USBキードライブやコンパクトフラッシュカードもストレージとして使えるが、今回は標準的なIDEドライブを用いた。このレビューのためにFreeNASをインストールするのにいつものテスト用マシンを使ったのだが、それで十分にこと足りた。

 バージョン0.68のISOイメージは、わずか38Mバイトしかない。普通のLinuxディストリビューションとは比べものにならないほど小さい。このISOイメージファイルをダウンロードしてCD に焼至ら、いよいよFreeNASのインストール開始だ。初回のCDからのブートはBIOSとFreeNASが電源管理をめぐって競合していたために失敗したが、BIOS側の機能を無効にすると、問題は解消され先に進むことができた。

 この2回目のブートはあっという間で、FreeNASのコンソールがすぐに現れた。念のために言っておくが、コンソール画面はオールテキストであり、軟弱なGUIの要素は微塵もない。ただし、ユーザーとFreeNASとの主要なインタフェースとして役に立つwebGUIだけは例外だ。これについては後で説明する。

 コンソールには、FreeNASがLANで使用しているIPアドレス(192.168.1.250)と接続の状態が表示される。この接続が「lan -> nve0」と表示される点は、Linuxにおけるイーサネット接続の表示方法と異なる。わたしが思うにBSDの表記では、「nv」がネットワークカード用の NVIDIAドライバを、「e」がイーサネットを、「0」がデバイス番号をそれぞれ表しているのだろう。分かりやすいとはいえないだろうが、まったく不可解というほどでもない。

 コンソール画面のメニューは次のようになっている。

  1. インタフェースの割り当て(Assign interfaces)
  2. LANのIPアドレスの設定(Set LAN IP address)
  3. webGUIパスワードのリセット(Reset webGUI password)
  4. 工場出荷時のデフォルト状態へのリセット(Reset to factory defaults)
  5. リブート(Reboot)
  6. ホストへのping実行(Ping host)
  7. ハードディスク/コンパクトフラッシュ/USBキーへのインストール(Install on HD/CF/USB key)
  8. シェルの起動(Shell)
  9. システムの電源オフ(PowerOff system)

 始めに、FreeNASのハードディスクへのインストールを選ぶ。するとインストーラが、ハードディスクに作成するUFS(UNIX File System)パーティーションを1つにするか2つにするかを訊いてくる。パーティーションを1つにするとハードディスク全体がFreeNASに使われるため、ストレージ用に別のドライブを用意しなければならなくなる。パーティーションを2つにすることを選択すると、1つのハードディスク上にシステム用とストレージ用のそれぞれのパーティーションが作られる。インストール時の選択肢はこの2つだけだ。

 実際、インストールにはまったく時間がかからなかった。インストールの完了後、CDを抜いてハードディスクからリブートを行う。ここまで来たら、先に進む前に43ページにおよぶ「FreeNASのセットアップおよびユーザーガイド(FreeNAS Setup and User Guide)」をダウンロードして一読することをお勧めする。そこにはFreeNASに関する有益な情報がたくさん詰まっている。今すぐには読まないというならダウンロードだけでもしておけば、次に何をすべきか分からずに困ったときにすぐ参照できる。

あなたのシステムをさらに高度なものするアイデアが詰まった「Leverage OSS」コーナーにどうぞ


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