災害時の通信復旧で強力タッグを組むNTTと自衛隊(1/2 ページ)

NTTグループと陸上自衛隊が災害時の通信復旧をテーマに共同で実働訓練を行った

» 2007年02月23日 07時30分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 NTT東日本とNTTドコモは2月22日、陸上自衛隊東部方面隊を共同で災害時の通信確保を目的とした実働訓練を、埼玉県朝霞駐屯地で行った。陸路が遮断された場合を想定し、空路での機材輸送や災害対策機器が運用された。

 この共同訓練は、2005年の新潟県中越地震の活動を教訓に実施され、2回目の開催となる。地震での停電によって固定/無線を問わず通信網が遮断される恐れがあるため、被災地での迅速な通信の復旧に向けた陸自とNTTの連携を実際に確認した。

搬入 ヘリの近くまで輸送する機材を搬入する

 今回は、首都圏で発生した直下型地震の影響で道路網が寸断され、被災地へ陸路で通信機材を輸送できない事態を想定。訓練は、陸自の大型ヘリと中型ヘリの2機で機材を運び、共同で被災地に通信設備を構築する内容となった。

 まず、NTT側はヘリポートの近くまで衛星回線用アンテナや制御機器、電話端末、非常用電源機器、仮設テントなどの災害対策機材を搬入する。ここで陸自の隊員とNTT側の職員が機材をヘリに積載し、20分ほどの作業で被災地へ飛び立った。

輸送2 ヘリで空輸した機材を避難所近くまで自衛隊が輸送する

 被災地では、現地で待機していたNTT東日本がヘリから機材を運び出し、自衛隊と共同でテントの設営や衛星アンテナの組み立て、機器間の配線などの作業を迅速に行った。NTTドコモも、被災地で提供する携帯電話機充電システム「マルチチャージャー」や衛星携帯電話システム「ワイドスターデュオ」を設置した。

設営 NTT職員と自衛隊員が共同で衛星公衆電話システムを設営する

 訓練で輸送されたのは、衛星回線を利用する特設の公衆電話システムだ。避難所での電話サービスや自衛隊が被災地に設置する対策本部と遠隔地の総監部の連絡などに利用されるという。

 訓練に参加したNTTドコモの災害担当者は、「中越地震では多くの道路が寸断され、機材輸送は困難を極めた。ヘリ輸送は丁寧に行われ、安心して機材を運べると感じた。復旧時間を大幅に短縮できるだろう」と期待をあらわにしていた。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ