エンタープライズモバイルを支えるセキュリティプラットフォーム(1/2 ページ)

セキュリティベンダーのウティマコが法人モバイル向けのセキュリティソリューションを推進する。ソフトバンクモバイルのX01HTにも対応し、企業のモバイル活用を支える環境が整いつつある

» 2007年02月28日 07時30分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 「社外でも業務をできるようにしたいがセキュリティが心配」――企業がモバイル環境を導入する上で、まず課題に挙げるのがセキュリティだ。ウティマコ セーフウェアのヤーン・ボスフェルト代表取締役は、「データ自体を保護し、モバイルと社内を包括するセキュリティプラットフォームが必要。当社ではこれを『オープンエンタープライズセキュリティ』と呼んでいる」と話す。

ウティマコ セーフウェアのヤーン・ボスフェルト代表取締役

 国内のPDA・モバイルハンドヘルド市場は近年、縮小傾向が続いたが、2005年を底に増加に転じ、2006年は急成長したと見られる(関連記事)。OSにWindows MobileやSymbianなどを採用したスマートフォンが登場し、エンタープライズレベルのアプリケーションやネットワークなどを活用できるモバイル端末が広がりつつある。

 ボスフェルト氏は、日本のモバイルセキュリティに対する意識について「欧米に比べ、多くの企業で厳格なポリシーを規定している。だが複数のベンダーが部分的なサービス展開をするなど、ソリューションの提供形態が整理されておらず、ポリシーに沿ったセキュリティ対策が十分に機能していないケースも多い」という。

 同社のオープンエンタープライズセキュリティは、共通化されたオープンプラットフォーム。「データ自体の保護」という概念に基づいて「Data at Rest」(保存データ)「Data in Motion」(実行データ)「Data in Use」(データの使用)の3つのカテゴリーで構成され、暗号化と認証をコア技術とするソリューションを提供している。

モバイルセキュリティの中核

 Data at Restカテゴリーとして、モバイル端末向けに展開しているのがデータ暗号化/認証ソフトの「SafeGuard PDA」だ。日本語化されており、Windows Mobile搭載のスマートフォンに対応する。

 認証機能では、IDやパスワードに加えてピクチャー認証や生体認証に対応する。複数の認証を併用でき、認証を複数回失敗すると大音量のアラームで警告する機能を持つ。端末内のデータを自動でAES暗号化し、メール送信時に添付データも暗号化できる。ポリシーの強制適用も可能で、情報保護と管理負担の軽減を両立している。

 PCの世界では、ウイルスやワーム、スパイウェア、ボットなど毎日膨大な種類の脅威が誕生しているが、モバイル端末の世界はまだそれほど多くはない。ボスフェルト氏は、「脅威に備えることは大切。企業のトップから現場レベルまで、きちんとポリシーが実行される環境を提供していきたい」と話す。

 また、モバイルではユーザビリティを損なわないセキュリティが重要となる。SafeGuard PDAは、バックグラウンドで暗号化が行われる。仮にユーザーがパスワードを忘れた場合でも、安全性を確保して認証する仕組みを用意しているという。

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