「検索で取り組むのは経営課題そのもの」、ウチダスペクトラム社長よく効くエンタープライズサーチの処方箋(1/2 ページ)

エンタープライズサーチ元年で市場は活性化しているが、現在はまだ一部の先進ユーザーが試行している段階。ウチダスペクトラムの町田潔社長は、エンタープライズサーチこそが企業競争力の決め手になると話す。

» 2007年03月14日 08時00分 公開
[松岡功,ITmedia]

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 内田洋行グループのウチダスペクトラムが、エンタープライズサーチ市場で一大攻勢をかけている。ノルウェーのファストサーチ&トランスファーが開発した検索エンジン「FAST Data Search」を採用したエンタープライズサーチ・プラットフォーム「SMART/InSight」を2005年10月に発売して以来、翌06年4月にはその機能を大幅に強化した「同2.0」を市場投入。さらにブログとの連携ソリューションの実現や、業務適応を目指した業務特化型パッケージ製品を提供するなど、積極的な展開が目立っている。果たして競合製品とどこが違うのか? その戦略展開を同社の町田潔社長に聞いた。

画像 ウチダスペクトラムの町田潔社長

検索エンジンを搭載したクルマ、SMART/InSight

ITmedia エンタープライズサーチ市場の動きをどのようにみていますか。

町田 昨年、わたしどもをはじめ有力ベンダー各社が戦略商品を投入したこともあって、エンタープライズサーチは一気に注目を集めるようになりました。その意味では2006年が「エンタープライズサーチ元年」だったと思います。その背景には「Web 2.0」に象徴されるインターネット利用環境の進化とともに、企業において「全社コンテンツ管理インフラの整備」および「情報ナレッジの共有・再利用環境の整備」が急速に求められるようになってきた動きがあるとみています。

 そうしたお客様のニーズを踏まえ、わたしどもでは企業および組織がさらなる生産性向上を実現するために、エンタープライズサーチ・ソリューションの提案を通じて知識コンテンツの共有と管理によるナレッジマネジメントの再活性化を図っています。そこで、知の共有を最大限に生かして経営の効率化につなげる新たなナレッジマネジメント・システム「KM2.0」を提案し、これを実現する「SMART/InSight 2.0」を次世代情報システムの中核として位置付け、新たな製品展開やさまざまな情報活用方法の提案を行いながら、お客様の競争力強化に向けた支援に力を入れています。

ITmedia 「FAST Data Search」(FDS)を採用した理由は?

町田 日本語への対応も万全で、国内外のさまざまな商用サイトで多数の実績を持つ信頼性の高い検索エンジンだからです。1億ドキュメントを1秒以下で検索できる高速性に加え、エンタープライズユースでの使用に十分対応できるスケーラビリティを備えています。

 さらにわたしどもが注目したのは、カスタマイズができ、しかもそれをモデル化しやすい機能を備えていることです。さまざまな業種・業態のお客様に対応した製品を提供していくためには、こうした機能が不可欠です。これによってわたしどもは、自動車に例えるとFDSエンジンとともに、ウチダスペクトラムで開発したほかの制御部品やシャーシ、タイヤなどを搭載し、それら全体のデザインを施した「SMART/InSight」という車を仕立て上げたわけです。

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