開発/本番環境もIISで――ゼンドとマイクロソフトがPHP on IISをアピール

ゼンド・ジャパンとマイクロソフトは、Windows Server上でのPHPサポートに対する協業関係の強化について説明会を開催。開発環境でも本番環境でも、Windowsプラットフォームで対応できることをアピールした。

» 2007年03月27日 21時13分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 ゼンド・ジャパンとマイクロソフトは3月27日、Windows Server上でのPHPサポートに対する協業関係の強化について説明会を開催した。

 Zend TechnologiesとMicrosoftは2006年10月に、Windows Server上でのPHPサポートに関する技術提携を発表している(関連記事参照)。その後、IIS.netでは、両社の技術提携の成果として、1月あたりからすでにIIS 5.1/6.0、さらにはIIS7上でFastCGIを動作させるためのFastCGI for IISがtechnical previewという形で入手可能になっている。

 一般的にCGIは、ユーザーから要求があるたびにプロセスを生成するため、大量の要求が発生すると、パフォーマンスが落ちることになる。これに対し、FastCGIではプロセスをメモリ上に永続化させる。プロセスの生成を要求ごとに行わずにすむので、パフォーマンスの向上が期待できる。

 IISでは、機能拡張のために外部プログラムをDLLとして扱い、IISと同じプロセスで実行するための仕組みとしてInternet Server API(ISAPI)が用意されているが、PerlにおけるPerlExのようなCGIアクセラレーターに相当するものがPHPの場合は存在していなかったことや、ISAPI利用時における安定した稼働の保証など、十分なスケーラビリティが確保されていない面があった。

 Zend Technologiesは先日、FastCGIを搭載したPHPの高速化エンジン「Zend Core 2.0」リリース、4月にはPHPアプリケーションの運用管理プラットフォームである「Zend Platform 3.0 日本語版」のWindows版をリリース予定としている。今回の協業関係強化の発表は、Zend Core 2.0といういわばFastCGIのプリコンパイル環境をIISとPHPの間に用意することで、IIS上におけるPHPのスケーラビリティが確保できたとアピールする狙いがあると見られる。これにより、開発環境/本番環境のどちらでもWindowsプラットフォームでカバーできることを示した格好だ。

 今後両社は、Windows Server 2003/IIS上のPHPサポートに関するWeb開発者向け共同セミナーの開催や、Linux World Conference & Expo/Tokyo 2007での共同ブース出展、IIS上でのPHP動作などに関する開発者向け情報のWebサイト構築、共同マーケティング/プロモーション活動を通じて、PHP on IISの普及を図っていく。

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