オンライン・ムック Plus

Windows Liveが魅せる次世代マッシュアップ:「今どきのWebアプリは4時間で作られている」の理由 (2/4)


 すでに、“ガジェット”と呼ばれる卓上でも楽しめるものリアルにも存在するため、そのLiveガジェット版がほしいというニーズも多い。今だからこそ、ヒット作を世に送り出せるというチャンスの時期でもあるのだ(関連記事:「Galleryから自作ガジェットを世界へ」)

アイデアから実現性を判断するためのコツ

 イーストでは、開発者間のコラボレーションツールとして「BizPal」を採用している(関連リンク)。企業ブログとして分類することができる情報共有ツールの1つだ。

 なぜ? ブログが開発の現場でも情報共有に最適だと考えているのか。この問いに対しては、同社の柳明生氏からは次のようにコメントされた。

 「スレッドで多くの意見が確認できること。そして時系列で整理できて気軽にディスカッションできるツールが必要でした。そして、すでに企業内コラボレーションとしてブログが使われていたことも大きなところです。さまざまなグループ単位でプロジェクト管理ができ、関係者の興味がどこに向いているのかも確認できる。SNSの側面も持たせてあるため、各人の開発ジャンルを知ることにもつながります」(柳氏)

 Liveガジェット開発におけるここでのポイントは、気軽にディスカッションができること、そして、関連性を追尾しやすいということだろう。大規模なグループウェアも同じような目的を持つが、第一にコラボレーションシステムが軽量なこと、そして多くの開発者が仕事の最中に気軽に書き込めるインタフェースも重視している点だという。

est002.jpg 画面1■ビジネスブログ「BizPal」上でLiveガジェットのアイデアが集約された

 画面1、2は、そのディスカッションを行っている特定のグループを覗いたところだ。同社では、このように開発者間の情報共有を図っており、それぞれの見解でLiveガジェット実現へのコメントを書き込んでいるという。

est003.jpg 画面2■開発者がそれぞれブログを持つため興味がどこに向いているのかを判断し、そしてプロジェクトへと招待することもできるという

アイデア傾向は4つに分類

 今回、Liveガジェットアイデア募集へ寄せられたアイデア傾向として分類されたものは次の通りだ。

 なお、ここで紹介していくもののほとんどは、Windows Live Galleryで公開済みか、近日公開予定である(2007年3月28日現在)。

  • コンテンツ系: 何らかの情報を表示するもの。検索サイトも含む。
  • 情報共有系: グループウェアのように他人との情報共有を行うもの。
  • ツール系: ガジェット単体で機能するもの。
  • メモ系: さまざまな用途のメモ帳をオンラインで実現する。

 コンテンツ系では、「無料技術研修情報」、「釣り場情報」、「食事の献立」といったアイデアが特に際だっていた。ただし、これらのコンテンツ情報をガジェット側で収集・選別することは、技術的に、そしてLiveガジェットの仕様上でも難しい面が多く、すでに収集し選別された情報をWebサービスとして利用することが前提となる。そう、柳氏は語った。

 ただし、応募内容と関連するWebサービスを探したところ適したものがなかったのだが、関連情報を持つ企業による協力で、川柳や俳句コンテンツの調達ができたという後日談がある。これにより、イーストのサーバ上にWebサービスを構築し、ガジェットを作り上げることができたという。

 ちなみに、このカテゴリーについてWindows Live Galleryでは、「音楽、映画、TV」を始め、「ニュースとフィード」「ライフスタイル」など、幅広いジャンルに属されている。

API公開で付加サービスが増えていく時代

 一方、「PC自己診断」というアイデアもあった。これは、単体で動作するツール系に属するものののように思えたが、修正パッチ適用などを考えるとWindows Updateの例もあるように、PCベンダーが提供すべきものではないかと考えられた。ただし、付加機能として、SNSなどを使ってユーザー同士の情報交換などが実現できるとおもしろいかもしれない、という開発現場での意見もあった。API公開によって、マッシュアップされる可能性が高いかもしれない。

 ほかにも「緊急地震速報」、「炎上ウォッチャー」、「ガジェットFX」、「株価お知らせ」、「MONEYCENTER」というアイデアについては、タイトルからその内容が想像ができると思うが、即時性に依存するものとしてジャンル分けされたものだ。このため、Webサービス提供者の技術や信頼度が必要となる。情報の一次提供者、あるいはその情報に近い筋によるWebサービス提供が不可欠だろう。このため、今回は適当なWeb APIが見当たらず、開発へとは至らなかった。

 「ブログ」に関するアイデアはかなり多かったものの1つだ。興味を持ったブログにコメントが届いた際、その情報を知りたいというニーズが多かった。これについてイーストがLiveガジェット開発を検討したところ、すでにココメントなどのサービスがあり、どのような仕組みで実現すれば良いのか、その手段について現在も検討中だという。

マッシュアップはWeb APIとアイデアのひも付けが重要

 ほかにも、「人気ビデオランキング」、「Google検索ワードランキング」、「YouTube(ニコニコ動画)」、「テレビ番組速報」、「テレビ欄」、「カート用(ショッピングカート)」、「運送便の荷物追跡隊」などのアイデアについては、コンテンツの取得方法を調査中だという。タイトルから想像ができるように、マッシュアップ前提で手軽に実現できそうだが、情報提供のAPIが手軽に利用可能であれば、十分にLiveガジェットとして作り上げることができるだろう。

 そして、これらのアイデアを基として、日めくりカレンダーへその日の出来事を加えた「今日は何の日?」(関連リンク)、さらに誕生日情報をテロップ風に表示する「今日の誕生日」(関連リンク)を作ったという。

Copyright© 2010 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.




キャリアアップ



エンタープライズ・ピックアップ

news004.jpg 世界で勝つ 強い日本企業のつくり方:利用契約の検討――グローバルクラウドで失敗しないために(前編)
2010年以降、クラウドサービスの利用がさらに加速する。サービスを利用する企業はプロバイダーのデータセンターに預けた自社情報を保護するために、法的な要素を理解しておかなければならない。企業が注意を払うべき法的な検討事項を整理する。

news001.jpg IT投資の新方程式:「Twitter使ってます」――現役MS社員が“社員力”を語る(前編)
マイクロソフトが掲げるプロモーションメッセージ「社員にチカラを。ITで企業力を。(以下、BIEB)」からは、ITで社員の生産性を向上することが業績の拡大につながる、といったニュアンスを感じる。そこで気になるのが「じゃあ、マイクロソフトの社員自身はどうなのよ?」ということ。3人の現役MS社員により実態が明らかになる……?

news010.jpg 産業構造を変えるか:「住宅クラウド」の衝撃
住宅都市工学研究所が進める「住宅クラウド」は、クラウドが企業のIT領域にとどまらず、ビジネスのやり方自体を変える可能性を示している。

news010.jpg オルタナティブな生き方 栗原進さん:ネットでリアルを楽しくしたい
SE出身の企業広報マンでありながら、趣味は落語で憧れの人はインディ・ジョーンズとアナログ全開の栗原さんに、ブログを書く理由やネットからはじまるコミュニケーションについて伺った。

news001.jpg 最強最速アルゴリズマー養成講座:トップクラスだけが知る「このアルゴリズムがすごい」――「探索」基礎最速マスター
プログラミングにおける重要な概念である「探索」を最速でマスターするために、今回は少し応用となる探索手法などを紹介しながら、その実践力を育成します。問題をグラフとして表現し、効率よく探索する方法をぜひ日常に生かしてみましょう。