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» 2007年04月10日 08時00分 UPDATE

オラクルデータベースの新潮流:重厚長大なデータウェアハウスから全体最適化されたBI基盤へ (1/2)

データウェアハウスと言うと、基幹業務システムからあらゆるデータを抽出し、蓄積する重厚長大なシステムというイメージがある。しかし、Oracle Databaseに搭載されているデータウェアハウス機能を利用すれば、わざわざデータを抽出する必要もないのだ。

[敦賀松太郎,ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック「オラクルデータベースの新潮流」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。


投資効果が見えないデータウェアハウス

 基幹業務システムで処理されたさまざまなトランザクションデータを抽出、蓄積するデータウェアハウスは、企業が自社の事業の情報分析を行うのに欠かせないデータベースである。蓄積されたデータを分類、分析して必要な情報を取り出し、さらにその情報を加工して経営戦略の意思決定に役立てるビジネスインテリジェンス(BI)システムを運用する場合も、データウェアハウスの存在は欠かせない。

 データウェアハウスの提唱者、ウィリアム・インモン氏によると、データウェアハウスには「サブジェクト指向」「統合」「時系列」「不変性」という特徴があるという。つまり、利用者の目的に応じて分類されたデータが統合され、長期間にわたって更新されない状態で運用されているというデータベースだ。基幹業務システムのデータベースが定型的な業務のトランザクション処理が中心であるのに対し、データウェアハウスでは情報分析という非定型な処理を行うために、検索や問い合わせが行われる。

 そうした処理を行うデータウェアハウスには、膨大なデータに対応できる能力が求められる。実際に、強力な処理能力のサーバやテラバイト級の大容量ストレージ、それにデータベースとツールを組み合わせたデータウェアハウス専用ソリューションを提供するベンダーもある。当然のことながら、こうしたソリューションを導入するには莫大な投資が必要になる。だがそれも、企業が生き残りを賭けた競争に勝ち、成長するならば安いものだ、という理屈なのだろう。

 しかし、データウェアハウスやBIを構築するために、湯水のごとく予算を使える企業は限られている。しかも、こうしたソリューションを導入する場合、トップダウンの判断がなければ難しい。投資効果が算出しにくいシステムであるがために、ボトムアップで企業の経営層を説得することは容易でないからだ。

データ抽出が不要なデータウェアハウス

 では、データウェアハウス専用ソリューションを導入できなければ、基幹業務システムのデータを経営戦略に活用することは難しいのだろうか。

 そんなことはない。もし、基幹業務システムのデータベースにOracle Databaseを採用しているのならば、Oracle Databaseの機能を使ってデータウェアハウスを構築できるのだ。

 オラクルは、Oracle Databaseにさまざまなデータウェアハウス、データ分析機能を提供してきた。その代表的な機能が「Oracle Warehouse Builder」である。これは、基幹業務システムのデータベースからデータを抽出して、データ変換やデータクレンジングを行い、ウェアハウスの構築、データの更新など、いわゆるETL(Extract/Transform/Load)処理を行うためのツールだ。

 また、Oracle Databaseには、多次元データ型を提供する「Oracle OLAP」、データ解析アルゴリズムを提供する「Oracle Data Mining」などの機能も統合されている。OLAP(On-Line Analytical Processing)とは、データを効率よく分析するための手法のことであり、リレーショナルモデルを使用する「ROLAP(Relational OLAP)」、多次元構造でデータを格納する「MOLAP(Multi-Dimensional OLAP)」、必要に応じて両方にアクセスする「HOLAP(Hybrid OLAP)」などの種類がある。Oracle OLAPでは、多次元構造をデータベースに完全に統合されている。

 Oracle Databaseでは、こうしたOLAPやマイニングの機能がデータベースに実装されているため、基幹業務システムのデータを切り出す必要がない。もちろん、データウェアハウス専用ソリューションは一切不要。これがOracle Databaseのデータウェアハウス機能において最大の特長と言える。

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