団体戦で連戦連勝目指す、わが社の「SMAP」システムインテグレータの営業力強化(1/2 ページ)

ここでいう「SMAP」とは新日鉄ソリューションズのSalesMan Activity Programという営業力強化プロジェクトのこと。営業活動の見える化を実現し、個人頼みの体制から、チーム力の結集を目指す。

» 2007年04月27日 07時00分 公開
[アイティセレクト編集部]

導入前の課題

「個人戦」ではなく「団体戦」の営業体制を標榜したので、情報共有による効率的な受注活動が必要だった。また、案件の基本情報の収集に手間や時間がかかっており、属人的な判断に依存していたため、成約見込みの精度にバラツキがあった。


導入後の効果

各チームの標準的なダッシュボード指標を展開し、チーム、全社の「見える化」が実現した。ミーティングの内容も基本情報の収集の時間ではなく、次のステップはどうすべきかといった質の高い内容に変化したことなどにより、成約見込みの精度が高まった。


「営業力の強化」を標榜

 新日鉄ソリューションズは、新日本製鐵の情報システム部門にルーツを持つ。同社の強みは、ITを重装備した製鉄業のシステムに取り組むことで長年蓄積されてきた技術力だ。現在は中立的なオープン系システムインテグレータとして、産業、流通・サービス、金融、社会・公共系の業務ソリューションや、システムインフラを一括して担う基盤ソリューション、新日鐵のフルアウトソーシングで培った24時間365日のビジネスサービスという3分野で事業を展開している。

 技術志向の強い同社であるが、2005年には経営課題の一つとして「営業力の強化」を標榜。標準化された営業プロセスを浸透・定着させるツールとしてオンデマンドCRMサービス「Salesforce」を導入した。

営業力強化のための具体的施策

ミーティングのクオリティを最大化

 同社では05年2月にSMAP(SalesMan Activity Program)というプロジェクトを開始。各事業部の現場からグループリーダー級のメンバーを集めて、営業力の強化に向けての提言を行った。その中で浮上してきたのが、営業標準プロセスの重要性だ。これを作ることで個人戦から団体戦へと進化させ、組織としての営業力の強化につなげようという声が上がった

 具体的に課題としてあがったのが、属人的な営業では情報共有がしづらいという点だった。同社の営業マン一人あたりが抱える中.大案件は約10〜15件。グループリーダーや部長になると、同時並行的に数十、数百の案件について把握する。しかし、それぞれが違うやり方をしては現状把握が難しく、「あれは誰かがやっているはず」「あのフェーズはもう終わったはず」という憶測に基づいて案件が進行してしまうおそれがある。

 こうしたミスを防ぐため、同社では営業週報や日報、対面でコミュニケーションを図っていた。ただ、チーム内の共通認識がないままでは情報共有にも時間がかかり、例えば本来は次の一手について議論すべきミーティングでも、現状報告に多くの時間が割かれていた。営業力強化には、やはり社員間の認識の土台になる営業標準プロセスが必要だった。

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