ウイルス対策にも「セカンドオピニオン」、ジャストシステムが法人向け製品投入へ

ジャストシステムは、企業向けのセキュリティソフト市場に参入することを明らかにした。既存の対策ソフトと共存可能な製品などがリリースされる予定だ。

» 2007年05月16日 20時18分 公開
[ITmedia]

 「医療の世界でセカンドオピニオンを求めるのと同じように、セキュリティについても、既存のウイルス対策ソフトと共存できる『第二の提案』を提供し、クライアントセキュリティの多重化を図りたい」(ジャストシステムコンシューマ事業部、カスペルスキープロジェクトリーダの横井太輔氏)――。

 ジャストシステムは5月16日、企業向けのセキュリティソフト市場に参入することを明らかにした。第一弾として、企業クライアント向けのウイルス対策ソフトや管理ツールを7月下旬より投入。10月には、既存のウイルス対策ソフトとの共存が可能な「Kaspersky SOS(セカンド・オピニオン・ソリューション)」をリリースする。

 いくつかの市場調査からも明らかなとおり、企業におけるウイルス対策ソフトウェアの導入率は8〜9割に上っている。Kaspersky SOSはこれを前提に、「既存のソフトウェアで見逃した脅威をしっかり検出し、取り除く」(横井氏)製品だという。

 同社によると多くの企業が悩んでいるのは、社内ネットワークに接続されている端末よりも、むしろ外に持ち出されるPCの保護だ。出張などで外に出たとき、公共LAN経由でインターネットに接続したときなどにウイルスに感染し、それが社内に持ち帰られるケースが見られるという。

 新製品はこうした問題の解消を狙ったもので、特に、企業内外でモバイルPCを利用している層をターゲットにする。

 既に大半の企業でウイルス対策ソフトが導入されている以上、2つめのソフトウェアの追加は「二重投資」にも見える。だが、ウイルス定義ファイルの更新スピードで差別化を図るほか、省スペック設計、起動時に自動スキャンを実施する「スマートスケジュールスキャン」といった機能によって、PCとユーザー、管理者に負担を掛けないようにする。

 なお、それに先立ちリリースされる「Kaspersky Anti-Virus for Windows Workstation 6.0」は、プライマリで利用できる、企業クライアントPC向けのウイルス対策ソフトだ。電子メールやWebサイト、ファイルを介して侵入を試みるウイルスやスパイウェアを検出、ブロックするほか、端末からの情報流出を防ぐという。管理ツールの「Kaspersky Administration Kit 6.0」によって一元的に管理でき、アップデートをマルチキャスト配信することも可能だ。

 Kaspersky Anti-Virus for Windows Workstation 6.0とKaspersky Administration Kit 6.0の価格はオープンプライス、Kaspersky SOSの価格は未定という。

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