第6回 サーバ異常をSNMPで通知させるにはSNMPによるネットワークモニタリング「第2版」(1/6 ページ)

SNMPでサーバリソースを監視するとさまざまな状況を把握することができる。異常となる予兆をとらえることができ、その予兆はメールなどで受け取ることが可能だ。

» 2007年05月25日 07時59分 公開
[大澤文孝,ITmedia]

 オープンソースのモニタリングプロトコル「Net-SNMP」独自のMIB-IIツリーである「UCD-SNMP(ucdavis)」を参照すると、機器の「メモリ」「プロセス状態」「ディスク容量」「ロードアベレージ」をはじめとするサーバの状況を参照することができる。

 このオンライン・ムックPlus「SNMPによるネットワークモニタリング“第2版”」は、2001年5月に公開した「SNMPによるネットワークモニタリング」を元に、6年以上の歳月を経て、枯れた情報を最新環境に合うよう刷新していくものだ。

 第6回目となる今回は、機器のリソース監視をテーマとして、これらの情報の扱い方を説明していく。主にこの連載はデータセンターの管理者がSNMPを扱うためのノウハウとして記事化したものだが、モニタリング手法として最もレガシーな、SNMPというものが何であるのかを理解することができる。

UCD-SNMP内の情報

 UCD-SNMP(ucdavis(1.3.6.1.4.1.2021))に、どのような情報があるのかは、Net-SNMPのMIB一覧で参照することが可能だ(関連リンク)

 情報は、表1に示すようにブツリーごとに分類されている。

表1a■UCD-SNMPのサブツリー(スカラー)

名称 OID 意味
memXXX ucdavis.4.XXX メモリに関する情報
ssXXX ucdavis.11.XXX CPUやI/Oなどのシステムステータス情報
versionXXX ucdavis.100.XXX バージョン情報や再起動などの指示
snmperrXXX ucdavis.101.XXX SNMPエラー情報

表1b■UCD-SNMPのサブツリー(テーブル)

名称 OID 意味
prTable ucdavis.2 プロセス情報
extTable ucdavis.8 プロセスが異常を来したときに実行するコマンド一覧
dskTable ucdavis.9 パーティション単位のディスク情報
laTable ucdavis.10 ロードアベレージ情報
fileTable ucdavis.15 ファイルの監視情報
logMatchTable ucdavis.16 ログ監視情報
mrTable ucdavis.102 登録されているMIBモジュール名一覧

メモリ情報

 メモリの情報はucdavis.4.XXXに含まれている(表2)

 これはスカラー値なので、後ろに「.0」を付け、snmpgetコマンドを使って容易に取得できる(「スカラー」については、第5回目を参照のこと)。例えば、次のようにすると、現在の空きメモリ状態が表示される。


$ snmpget -c hogeprivate -v 1 localhost memAvailReal.0
UCD-SNMP-MIB::memAvailReal.0 = INTEGER: 229744

 ここでは説明しないが、スカラー値を持つほかのサブツリーも同様にして取得することができる。

表2■メモリ情報(ucdavis.4)

名称 OID 意味
memIndex ucdavis.4.1 常に0
memErrorName ucdavis.4.2 常に「swap」という文字列
memTotalSwap ucdavis.4.3 利用できる総スワップ容量
memAvailSwap ucdavis.4.4 未使用のスワップ容量
memTotalReal ucdavis.4.5 搭載されている実メモリ容量
memAvailReal ucdavis.4.6 未使用の実メモリ容量
memTotalSwapTXT ucdavis.4.7 テキストページとして割り当てられているスワップ総容量
memTotalRealTXT ucdavis.4.9 テキストページとして割り当てられている実メモリ容量
memTotalFree ucdavis.4.11 メモリ空き容量
memMinimumSwap ucdavis.4.12 このホストにおける最小限必要なスワップ残量。memAvailSwapが、この値を下回ると、memSwapErrorに1が設定される
memShared ucdavis.4.13 共有メモリとして割り当てられているメモリ容量
memBuffer ucdavis.4.14 バッファメモリとして割り当てられているメモリ容量
memCached ucdavis.4.15 キャッシュメモリとして割り当てられているメモリ容量
memUsedSwapTXT ucdavis.4.16 テキストページとして現在使われているスワップ容量
memUsedRealTXT ucdavis.4.17 テキストページとして現在使われている実メモリ容量
memSwapError ucdavis.4.100 スワップ残量が少なくなったときの警告フラグ。memAvailSwapがmemMinimumSwapを下回ったときに1になる
memSwapErrMsg ucdavis.4.101 memSwapErrorが1になったときのエラーメッセージ
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