データセンター管理者にとっての新たなチャレンジは複雑性――Symantecの調査

データセンター管理者にとって最大の障壁となるのが複雑化するシステムをいかに管理するかという現実的な問題だった。

» 2007年05月28日 16時39分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 データセキュリティとストレージのプロバイダーであるSymantecが5月23日に公表した調査結果は厳しい現実を示す内容となっているが、多くのITマネジャーにとっては驚くほどのことではないかもしれない。全世界のITプロフェッショナルたちは、複雑化するデータセンターの管理に苦労する一方で、予算と人員の厳しい制約という現実に直面しているのだ。

 調査の回答者たちは、データセンター管理の苦労を軽減するために、ストレージ容量管理、仮想化、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)フレームワークなどの技術や構想を活用しているようだ。

 「State of the Data Center」(データセンターの現状)と題されたこの調査は2回にわたって実施されるもので、データセンターの管理者の主要な動向と彼らが抱えている課題についてスポットライトを当てている。Symantecの広報担当者によると、2007年4月に実施された調査の第1部では、北米、欧州、アジア太平洋地域の大手企業に勤務する500人以上から回答を得たという。

 回答者の85%は、データセンターの複雑さ増大の原因として、サーバとアプリケーションの増加を挙げている。また、回答者の80%が、使用する管理ツールが増えたことをデータセンターの複雑さ増大の原因として挙げている。OSの種類が増えことが原因だとする回答者も72%に上った。

 回答者の74%は、複雑な環境を管理する上での最大の苦労の1つが、人員の削減だと答えた。また、データセンターで予期せぬダウンタイムを引き起こす主要な原因として、人為的ミスを挙げた回答者は50%だった。調査によると、データセンターでのダウンタイムの主要な原因は、アプリケーションのエラー、人為的ミス、ハードウェアの障害などで、アプリケーションの可用性を改善するには、ツールの一元化と自動化を進める必要があることを示している。

 管理ツールの増加で多少苦労している、あるいは大いに苦労しているという回答は80%で、カリフォルニア州クパティーノに本社を置くSymantecによると、これはツールの統合と標準化の必要性を示しているという。

 回答者は平均で9種類のサーバ/アプリケーション管理ツールを使用しており、これらのITプロフェッショナルの半数以上(56%)は、使用しているツールを統合する予定だとしている。ツールの統合で回答者たちが重視しているのは、主要な機能/パフォーマンス、コスト、統合プラットフォームだった。

 また調査に回答したITプロフェッショナルたちは、下記の構想を導入する計画である(あるいは導入した)と答えている。

  • ストレージ配分/リソース管理(87%)
  • 仮想サーバ管理(80%)
  • ストレージ容量管理(68%)
  • 事業継続と災害復旧(68%)
  • アプリケーションの可用性(64%)

 Symantecでデータセンター管理を担当するグループ副社長のクリス・ハガーマン氏は、データセンターの複雑性を克服するには、企業はすべての主要なストレージ/サーバプラットフォームをサポートする単一レイヤのインフラソフトウェアで標準化することにより、情報とアプリケーションの保護、データセンターのサービスレベルの向上、ストレージ/サーバの利用率の改善、運用コストの削減を目指すようアドバイスする。

 「データセンターは強いプレッシャーにさらされており、その状況は悪化する一方だ」とハガーマン氏は話す。

 「データセンターに対して、主要なアプリケーションの総合的防御と可用性への期待が高まっている。データセンターの管理者がこの期待に応える一方で、予算の削減という残念な現実に対処するためには、データセンターのコントロールを取り戻し、互いに連携しない異種システムやツールの増加傾向を食い止める必要がある」(同氏)

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ